今までブラウスに顔を埋めていた僕の鼻孔には母の香りが残る。
そのまま、洗濯機の中を見る僕の股間は異常なほど硬く、反り返っ
たまま何度もビクンと脈を打った。
母の良い香りの正体は、いつか寝室で見つけ出した高そうなボディ
クリームであることを知っていたが、今しがた嗅ぎまくったブラウ
スにはボディクリームとは違った別の甘く複雑な香りも混ざってい
た。
それこそが母の身体の匂いなのだろうか。
ならば、洗濯ネットに包まれたベージュの生地はどんな香り、い
や、匂いなのだろう。
想像するだけで射精してしまいそうだった。
震える手を洗濯機の中に伸ばした時だ。
ギッ、と微かな音。
体が硬直した。
長い時間、洗濯機の前で立ち尽くしたまま、全てを耳に集中させて
音の発信源を探る。廊下?階段?
そういえば、二階からだったかも知れない。
自分にそう言い聞かせ、思い切って体の向きを変えた。
浴室のドアはわずかに開いているが、そこから見える廊下は暗く、
少し歩いたところにある階段の灯りも点いていない。
安堵が僕を冷静にさせた。
もし、母の下着を手に取り、行為に及んだ現場を見られでもした
ら…。
そんな危険を冒すことはない。
音をたてずに二階の自分の部屋に戻り、男根をしごいた僕は
鼻孔に残る母の匂いによって凄まじい射精に導かれた。
大学に進学して一人暮らしを始めた僕は、祖父の病院と祖父母の家
を壊すことを聞き、久しぶりに実家に帰省した。
祖父母の家を片付けを手伝う名目で、母と限りなく二人で過ごせる
時間を期待したのだ。
先に書いたが、壊す前の家には祖母もいるけれど、
僕が万がいち暴走しかけた時の抑止力にもなってくれるだろう。
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