病院の掃除、医療器具の撤去などは業者が済ませており、
あとは細かい片付けが残ってる程度だった。
隣接する祖父母の家もこのタイミングで壊すため、
一時的に伯母の家で祖母の世話をし、母が病院の簡単な掃除を
引き受けた。
「2、3日で終わると思うから、あなたは手伝いに来なくてもいい
わよ」
僕の貴重な夏休みを気遣う母の言葉を聞きながら、僕は邪なことを
企んでいた。
母への想いがエスカレートし始めた高校生の頃、気づかれない様に
凝視して、その容姿を脳裏に焼き付けると二階の自室に篭り、
自慰に夢中になった。
キッチンに立つ母。年の割りに垂れる事もなくハリのあるお尻や
程よく膨らんだふくらはぎ、締まった足首は学生時代に陸上部
だったという賜物だろうか。
夕飯のテーブルでは気づかれないように顔を見詰めた。
セミロングの髪、気の強さと慈愛を感じるくっきりとした
二重の目、小さな鼻、口角の上がった形の良い唇が小さな顔に
バランスよく配置されている。
食後は即座に自室に篭る僕を反抗期の一種とでも勘違い
してくれたのか、卑猥な目で母を見るなどという背徳的で
変態のような僕の考えは当時はバレていなかったように思う。
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