夜の9時を回りました。僕と母はと言えば、何をする訳でもなく、部屋でくつろいでいました。
もちろん、気にはなります。二人っきりのチャンスですから。しかし、母はその素振りを見せません。
買った雑誌や旅行パンフレットに目を通し、家でいるのと同じように過ごしていました。
「明日、自由時間になるの10時からー?」
不意に聞かれた僕は、「そだねぇー。」と答えます。そこからが本番なのです。
「どこ行くー?行くところ決めてるー?」、その質問には即答が出来ません。
漠然と、「ホテル。」としか考えてなかったからです。
すると、「探しなよー。スマホで探しー。」と言うのです。理解に困ります。
母の言っている意味がわかりません。それでも、
「ラブホテル行くつもりじゃないのー?お母さん、そのつもりなんだけどー。スマホで探しとってよー。」
と言われたのです。「あっ、ホテル?!探すわー。」、僕は平然とした顔で答えました。
でも、母にその気があると分かった僕の内心はドキドキです。
布団に転がり、スマホの操作を始めます。札幌ドームの近くで検索をします。
そんな僕の隣に母が寝転がりました。僕のスマホを覗き込み、出てきたホテルを二人で眺めるのです。
母と息子が、明日セックスをするためのホテルを検索していました。
他人から見れば絶対におかしな光景です。それでも、僕達は笑って話をしてしまうのです。
普段ならともかく、セックスとなるともう母と子ではなくなるようです。
「なら、ここ行ってみようかー。」
ホテルが決まりました。値段もかなりお高いみたいですが、二人の貞操と同じで財布の紐も緩んでいます。
浴衣姿の母が立ち上がると、「寝るよー。電気消すよー。」と壁のスイッチに手を掛けました。
僕が「おやすみー。」と言うと、照明は落とされました。真っ暗過ぎて、一瞬母を見失います。
ガタゴトと音がして、自分の布団には向かってはいるようです。
そんな母が、「マサくんさぁ、前夜祭しないといけないねぇー?」と言って来ます。
意味が分からず、なんの前夜祭でしょうか?まさか、明日ラブホに行く、その前夜祭でしょうか?
「なによ、それー?」と聞いてみます。
「なにって、お母さんとセックスすることに決まってるでしょー?」
視界がない中、母の居場所だけは分かりました。僕の身体に手を掛けて来たからです。
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