ホテルに着いたのは、時間ギリギリの午後6時半。上司と添乗員さんから部屋のカギを渡されました。
「宴会、7時からや。風呂入る時間ないぞー。」と上司に言われ、母とすぐに部屋へと向かいます。
ラブホで風呂を済ませてきた僕達です。その心配は無用でした。
午後7時。定刻通りに、総勢50名の大宴会が始まります。
コンパニオンも数名いましたが、やはり御家族がいるためか社員もなかなか弾けません。
それでも一時間もすると皆さん顔を真っ赤にして、中にはコンパニオンに言い寄る方も出ています。
「あんたも言っておいでよ。。。」
コンパニオン相手に弾けている同僚を見て、母が僕にそう言います。
「いいわぁ~。。」と答えましたが、母は浮かない顔を見せます。
僕が女性に積極的でないのは母も知っており、機会をみすみす見過ごそうとする僕に不満なようです。
「女の子、からかっておいでぇー。」、そう言われても行動を起こせない僕でした。
宴会は9時に終わりました。皆さんお酒を控えたのか、口々にこのあと外出することを口にしていました。
部屋に戻った僕と母。「うちらも出るー?」、母の一言で外出をすることになることになります。
母は白のストレートパンツを履き込みました。肌にビッタリとくっつき、足の細さが強調されます。
さすが有名な歓楽街。午後9時を過ぎても、人通りはとても多いです。
「手、繋いでぇー!」
宴会でそこそこ飲んだのが、赤い顔をした母がそう言ってきます。
人は多いとは言え、街に出た同僚も多く、僕は少し拒みました。
しかし、「誰も見てないわぁー。見られても、親子でしょー。」と母に促され、手を取ってしまうのです。
入ったお店は、居酒屋でした。ボックスタイプの席に着くと、母はすぐにメニューを手に取ります。
「美味しくなかったよねぇー。あれ、いくらよぉー?。。」
宴会の料理は口に合わなかったようで、母はここで食べ直すつもりのようです。
料理が並び、ビールを手に持つと、「乾杯しよ。」と母は笑顔を見せます。
やはり知らない人達の席で、母も気をかなり使っていたようです。
そんな母に、「マサくんー?女の子、もっと行かないとダメよー?」と言われます。
やはり、宴会場でのコンパニオンとのことに納得がいっていないようです。
「分かってるわー。」と答えますが、僕の返事が適当なのは母にはすぐにバレてしまいます。
そして最後に母から言われてしまうのです。
「私、マサくんのお嫁さんにはなれんのよー?ちゃんと、自分で見つけるんよー。。。」
※元投稿はこちら >>