邦訳文の最初の送稿、いかがだったでしょうか。小生、まったくのシロウト
ですので、それはお含み下さい。オトコっぽさに、ボク同様の興味をもって
くださるか分りませんが、まあ、その辺の値打ちの比重が、ボクにとっては
ずいぶん大きかったと白状しときます:
私の視線はゆったりながらも、ぴったりした彼女のブラウスをさまよい、
服地の下に隠れている中身へと想像を逞しくしていた。ビキニから礼服まで
あらゆる服装の彼女を隣人として眺めてきた。もう7年以上に亘っている。天
性の器量よしだけに、合う衣服を求めるのが却って大変だったろうけど、彼
女の服の選び方は、いつも分別ゆたかさを思わせ、セクシーでもあった。
「食品の買出しだね。ウン、わかる、わかる。」
ヘレンは、買い物カートの中に缶を入れた。「ほんの週末用の少しだけ
ね。ジェニーはトッピング散らしの軽食ケーキが好きなの。けど見つけられ
そうにないみたいだわ」と言って、彼女は辺りを見回した。
「それって、あれのことじゃないかな?」上段の棚を指差した。「メアリー
もあれが好きなんだよ。」
「あっ、そうだ!」と彼女が答える。手助けも何も、やにわに手を伸ばして
彼女がその箱を手にする。ほんの一瞬、彼女の上腹部がまるだしになった。
セクシーなブラウスに隠されたカーブを思い描く、そのヒントを私としては
頂けたような想いだった。伸びをしたとき彼女は、もう片方の足もぐるっと
回してバランスを取った。その踵が私のくるぶしにぶつかった。
「ゴメン。お互い様ぶつかり合うのって私たち、だんだんなれっこになって
きてるみたいね」と肩越しに笑いかけながら、彼女が言う。おいおいマジに
この身体にドーンといくとなりゃ、どうしてくれようってんだよ、と本気で
考えてしまう気持ちを抑えきれない。もう心の底からくたびれ切っていると
思ってたのに、身体の方では彼女の微笑に反応してしまう。
※ この最後の文にある「身体の反応」とは、文字通りの「オトコの身体の
反応」のことです。どんな言葉を使ったのか、いまではちゃんと覚えてない
のですが、数ヶ月前かに訳したときには、「まさか、そんな下品な言い方を
しまい」という先入観があって、もっと、お上品に訳していたと思います。
それが進んでいくうち、著者がわざとそういう男の観点を強調しているのに
気づいて、訳文を変えた覚えがあります。
前レスに書いたことですが「人の心の奥にひそむ性の魔性」については、
単にそうした男ドモの持つ露骨な性意識であるよりも、著者の意図が女性の
その辺に向けられてるのでないか、と思えてきまして、叶うことなら、秋虫
さんご自身のご高見も伺ってみたい、という辺りがじつは、こんなやり方で
拙文を読んで欲しいと望んだ、本当の理由です。
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