それからゆうくんはうちに来なくなった。
もう高学年で一人で留守番できるからか、預かって、と頼まれることもなくなった。
ちょっといたずらが過ぎたかな、と反省して、ときどき外で見かけると積極的に声をかけたりしたけど、冷たい態度。
まあ、しかたないか、とあきらめて一年が過ぎた頃、突然、ゆうくんがうちに来た。
「おばあちゃんが入院した。お母さん、病院に泊まるから、今夜は帰れないって。」
しばらく見ないうちに、ゆうくんは、少しだけ背が高く、肩や胸はずいぶんたくましくなっていた。
「今夜は泊めてもらえって。お母さんが」
ニコッと笑う笑顔はまだまだあどけない小学6年生。
二人で夕食を食べたあと、「お風呂はいる?」とちょっと遠慮がちに聞いてみたら、こくりと頷いた。
バスタブにお湯を張って、先にゆうくんを入らせる。
「バスタオルここに置いておくね」
浴室の中のゆうくんにドキドキしながら声をかけた。
「ありがとう」
って可愛い声。で、その後に続いて
「お姉さんも一緒にはいろうよ」
だって。思わず耳を疑った。
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