お姉ちゃんとの絆は、昔から私のすべてでした……。
物心ついた頃から、お姉ちゃんはいつも私のそばにいてくれた。
3歳年上のその背中は、どんなときも大きくて、温かくて、守ってくれる存在そのもの。
両親が共働きで忙しかった私たち姉妹は、いつも2人きりで家にいて、夜は同じ布団で寝て、朝は同じ朝ごはんを食べました。
小学生の頃、私は学校でいじめられて泣いて帰った日、お姉ちゃんが無言で私の手を握って、
「ののかは私が守るから」って、静かに言ってくれたんです。
その言葉だけで、世界が全部明るくなった気がしました。
それ以来、お姉ちゃんの匂い、声、指先の感触が、私の安心の形になりました。
中学生になると、私はお姉ちゃんのことが「女の子」として意識し始めました。
部活から帰ってきたお姉ちゃんの汗ばんだ首筋、シャワーを浴びた後の柔らかい髪、笑うときの唇の形……
全部、胸が疼くほど愛おしくて、夜中に布団の中でそっとキスしたことも、何度もあります。
お姉ちゃんは知らないまま、眠ったまま、私をぎゅっと抱きしめてくれるんです。
そのぬくもりが、たまらなくて、罪悪感と愛しさが混じり合って、毎晩震えていました。
高校生のとき、お姉ちゃんが初めて彼氏を作ったときは、世界が終わったと思いました。
でもその彼氏と別れた夜、お姉ちゃんは私のベッドに潜り込んできて、
「ののかが一番だよ」って、涙をこぼしながら抱きついてくれたんです。
そのときの温もり、息づかい、胸の鼓動……全部、私の記憶の奥底に焼きついています。
大学を卒業して一緒に暮らし始めた頃は、毎日が夢みたいでした。
お姉ちゃんが作ってくれる朝ごはん、夜遅く帰ってきたときの「おかえり」の声、
週末に2人で並んでソファで映画を見る時間。
私はお姉ちゃんの隣が私の居場所だと、信じて疑わなかった。
……なのに。
今、この旅で突然告げられた「彼氏ができた」という言葉が、
あのすべての思い出を、粉々に砕こうとしています。
お姉ちゃんの手を握りながら、高松のポケモンストアで笑い合った今でも、
胸の奥では過去の温もりが、熱い波のように押し寄せてきます。
「お姉ちゃん……覚えてる?
小さい頃、雷が怖くて毎晩お姉ちゃんの胸に顔を埋めて寝てたこと。
私が熱出して泣いた夜、朝までずっと頭を撫でてくれたこと。
私が初めて生理になった日、恥ずかしくて震えてたら、お姉ちゃんが全部教えてくれて、ぎゅって抱きしめてくれたこと……」
全部、声に出せないまま、心の中で叫んでいます。
お姉ちゃん、あの頃の私たち、戻れないの?
あの特別な絆は、もう私だけのものじゃなくなってしまうの?
私は今、お姉ちゃんの手を離さないように、ぎゅっと握りしめながら、
涙を堪えて笑顔を作っています。
大好きすぎて、失うのが怖すぎて、
この過去の愛が、今の痛みを何倍にも大きくしているんです。
お姉ちゃん……
どうか、まだ少しだけでいいから、
私のそばにいて。
あの頃のように、私だけを見て。
この想いは、きっと一生消えない。
あなたが私の一番だったように、私は今でも、あなたの一番でありたい。
ずっと、ずっと……。
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