「ほらっ、いつまで寝ているのよ。」
頬を叩かれながら起こされた。姉はすでに喪服の上着まで着ていた。僕は上体を起こし姉の方に手を回して引き寄せキスをしようとした。しかし姉は僕を突っぱね、頬を叩いて
「何を寝ぼけてやろうとしているの!早く顔を洗って服を着なさい。」
えっ、昨夜のことは夢?そんなはずない。リアルだった感触がある。現に今は裸のままだった。顔だってゴワゴワした感じがしている?風呂上がりてそのまま寝た感覚とは違う。
「なみ、もう一回しようよ。」
「とも、いつまでバカなことを言っているの、帰るわよ。」
「じゃあちょっと朝風呂に入ってくる。タオルちょうだい。」
「タオルなんて無いわよ。洗面所で顔だけ洗ってきなさい。」
いや、確かに前の晩、1枚は姉の体を拭うのに使ったけれどもう1枚は残っていたはずじゃないか、しかし姉が捨てたのだろうか?
勿体ないと思ったが仕方なく下着、Yシャツ、ズボンを身に着け廊下の洗面所ヘ行き顔を洗いハンカチで拭いて部屋に戻ると姉はシーツと、枕カバーを外した布団を畳んで部屋の隅に寄せ、ハンドバッグまで手に取っていた。僕も慌てて上着を着て部屋を出た。
会計を済まし玄関を出たところで若夫婦と会った。
「おはようございます」
あいさつを交わすと旦那が
「夕べはどうも」と言う、すると奥さんが
「主人ったら負けないぞって言いながらすごく頑張ってくれたんです。奥さんの声に負けないように喜ばせてやるって言ったんですよ」
僕は苦笑いをするしかなかった。姉の方を見ると顔が真っ赤だった。それから車に乗り近くのファミレスで朝食をとり、高速に乗って帰ってきた。姉は怒っているかのようでほとんど喋らなかった。昼頃に姉の家の近くまで着いて昼食をどうするかと尋ねたら家で食べるから早く帰りたいと言う、じゃあ僕は昼食をどうするのと聞くと途中で食べて帰ればいいでしょと答える。仕方なく姉をマンションの前で降ろし帰って来た。
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