妹と電話でレナの話になった。
妹のその後が心配で電話をしてみたのだがいつの間にかレナの話になっていた。
妹がレナを外に連れ出した時に散歩している柴犬とすれ違った。すると何に対しても無表情無関心なレナが急にしゃがんでその柴犬に手を差し伸べたのだとか。
すると柴犬もレナに尻尾を振って愛想を返したという。飼い主もそんな二人に目を細め足を止めていてくれた。
レナが言葉を話したので妹が驚いたそうだ。
「いいこね……かわいい」と、確かにそう柴犬に声をかけたのだと。
妹がレナを促して飼い主にお礼を言って別れたあとも何度も振り返るレナをみていて「犬が好きなんだなぁ」そう思ったという。
犬というのは不思議な生き物で犬好きをかぎ分ける能力を持っているようだ。犬嫌いもちゃんとかぎ分けて愛想は決してしないものだ。
そこで思いつきで提案をしてみた。
「今度の日曜、レナを連れて三人で◯県のわ◯わんランドいこうか」と言ってみた。
国道からトロイの木馬ばりの巨大な柴犬風展望台があるところで「ふれあい広場」では大量の様々な犬種が放し飼いになっていてワンコたちにもみくちゃにされて犬好きには夢のような場所なのだ。学生時代に息抜きにと友人とその彼女の三人でドライブがてらに出掛けたとき偶然に見つけた場所だ。
極度の人間不審に落ちているレナも大好きなワンコと一日中戯れていれば凍りついて強張った心も少しは溶けるかも知れない……そう思ったのだ。
明日はレナとレナのママが家に来ると言うのでレナに妹が聞いてみると言う。
でももしかすると……と妹が言うには「ママも行くってゆーかもよ、そんときは?」と、
「いんじゃネ?一緒に行けば」俺がそう答えると何故かすごく嬉しそうに明るい声で「うん、ならわかった!明日さっそく聞いとくよ」そう言った。
たまには息抜きだけ、エロ抜きで遊びに行くのも悪くないだろうと思う。
レナに何とか笑顔を取り戻してあげたいのだ。
あの子の笑顔は100万ドルの価値がある。それくらい可愛い子だ。
※元投稿はこちら >>