けっこうな遠さのクリニックへ向かう車の中の事。あまりにも深刻そうな顔に見えたのか妹が……
「あのさ、本気にした?」と笑う。
「パパ、そうゆーの好きだからさ、男ってみんな好きそーじゃない?、うそだからアレ」と言う。
娘を目の前で交換セックスは冗談だと言うのだ。
「ヤッパ、お兄ちゃんも興奮したのかなぁ?」と、
「おまえ、冗談で言うような事かよ」少し怒ってしまった。
条件に妹とヤらせろって言うのは?と聞くと少し俯いたあと
「それは……マジ……ごめん」と言う。
それからしばらくは二人無言のまま車で走っていた。
堕胎処置の前に妹はこのクリニックのクソ野郎に……中だしセックスをされている頃だ。
全てが終わってクリニックの裏手から出てくる妹に俺はなんて声をかけたらいいのだろうか。
妹の姿がクリニックに消えてからもう30分以上も俺はそればかりを考えているが答えは見つからない。
クリニックに入る前に妹が振り替えり笑顔で親指を立てた明るい顔ばかりが頭の中をグルグルと巡り何も思い付かないのだ。
※元投稿はこちら >>