どんどん俺を取り巻く環境が複雑になっていく。
いつの間にか彼女が三人もできてしまった。
妹はレナと俺の関係を認めているからいいが新ママとは嫌がるので難しい。
そう言えば親父に関して新ママから不安な情報が入っている。新ママの話から推測するに親父は前立腺に何らかの問題が発生しているのではないかと思う。
前立腺は男にしかない生殖器系の臓器で精子を生きたまま膣に泳がせるための粘液を作り精液として射精を促すための器官だ。膀胱の下に位置して尿管を取り巻くようにある栗の実ほどの大きさで一つだけある。なぜ尿管を取り巻くように付いているかと言えば精液が尿道を通るため尿と精液が混じらないように精液を送り出すときには強く収縮して尿を止める役割を担っているからだ。これによって射精をするとき男は同時に小便をすることはできない。射精が終わり前立腺の収縮が弛むとようやく排尿ぎ可能になる。
直腸と膀胱の間に位置しているので人口的に精液を取るために看護師が肛門から指を入れてこの前立腺を押して刺激し射精をさせることもできるという。
新ママの話では最近頻繁にトイレに行くのだと言う。
これは前立腺が腫れたり肥大化したりすると尿管を圧迫して尿が思うように出せなくなる症状だ。最も多いのは前立腺肥大だが前立腺癌の可能性もある危険な症状だ。肥大化すると栗の実ほどの大きさがミカン程にもなるという。治療方法は切り取るのだが困ったことにこの前立腺には2対の精嚢と言う睾丸で作られた精子を溜めておく器官が癒着していてこれを残しての切除はできない。精液を作ることもできなくなり射精のための収縮もできなくなる。つまり男として不能になってしまうのだ。親父にとってそれは人生の終わりにも近い事だろう。
癌ならばリンパ節への転移が早期に発生し処置が遅れれば命に関わる。文字通り人生の終わりになるのだ。
だけど、親父も門外とはいえ医者だ。そんなことを知らない訳がない。
今は腹を割かずに空気で腹の中を膨らませて腹腔鏡手術で切除するので外傷もないため術後の入院も数日で済むはずだ。
とりあえずは膀胱が張ったら自分で尿管カテーテルを挿入して溜まった尿を出すこともできるがもしもそうしているなら関係した女性に散々カテーテルを差し込んで楽しんだバチが当たったわけだ。
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