親父のクリニックも今日から休みに入った。
昨日は薬を求める駆け込み患者でごった返した。
完全予約制を唱っているが年末だけは患者の要求に可能な限り応じている。スタッフは大変だがその代わり他の同類のクリニックよりも少しだけだが休みは長い。もちろん他の診療科目と違い直接命に関わる患者がいないこともその理由のひとつだが……
「レナの生理が終わったよ」
妹から、そしてそれから間もなく新ママからも同じような連絡が入った。
「とりあえずレナに会いたいな」どちらにもそう返した。レナとセックスするにしてもできればレナと心を通わせる時間が欲しい。直接レナの言葉をもらえなくてもいいから雰囲気だけでもレナの許しを得たいのだ。
誰が何と言おうとレナはまだ初めての生理が来たばかりの子供だ。どんなに親父や他の大人たちに性的凌辱を受けて慣れているとしてもだ。いや、それだからこそ初めてのセックスくらいは優しく普通に愛情を持った行為としてやってあげたい。
散々目の前で母親と親父の性交を見せられてきたレナは男のペニスが自分の体に何をするのかなど全てを知っている。それでも……
ロマンチストと笑われてもそこは譲れない俺のわずかに残っている善意なのだ。妹もそれを望んでいる。
「その気になったら言ってね」
妹がその場に立ち会う約束なのでそう言ってくれた。
俺も今日から休みなのでレナに会いに行くつもりだ。
新ママが言うようにレナが本当に俺の事が好きなのか今一度確かめておきたい。もしもそうでないと感じたらやめると決めている。妹にもそう伝えた。
「わかった、でもレナはそんなお兄ちゃんだからこそ大好きなんだよ。きっと大丈夫」と言ってくれた。
レナ……初潮があったばかりの11歳。
アナルセックスは数限りなく受けてはいるが生殖器はヴァージンのままだ。乳房さえまだわずかな膨らみしかない。
超絶な美少女に育ったがアスペルガー症候群を持って生まれたためそれが原因でクラスの女児たちに激しく苛められた。そして心を病んだため更に陰湿な攻撃を受け続けて不登校。暗闇に心を閉ざした不幸な子供だ。苛めを認めたくない、ガキ同士の面倒な揉め事などに煩わせられたくない教師と学校はレナの叫びに手を差し伸べずむしろレナを「無神経」と罵り改善を促した。唯一の頼みとした母親は借金まみれの生活でレナの助けを求める心に寄り添う余裕がない。
娘が明らかな奇行を見せ始めてようやくその異変に気づいた母親がクチコミ評価のよかった親父のクリニックへ娘の診察につれてくる。そして……
自分が幼い頃、散々にワイセツな行為を行い続けヴァージンさえも奪ったキチガイ医者に再会してしまう。
一目でそれとわかったが足先から舌を舐めるように娘を見る医者の目を見ながら母親は生活苦から抜けだす企みを立ててしまった。
「先生?……私のコトを覚えていますか?」そうはなしかけたのだ。
自分と、そして娘の体と引き換えに悪魔と取り引きをしてしまった。
母親にしてみればそれすらも愛する娘の生活と病を助けるための最後の光だったのかもしれない。
いや、きっとそうに違いない。
自分の妹も養護施設から出られない、娘も暗闇を覗きながら意味不明な独り言を呟いては嘔吐を繰り返す。
尿を常に漏らし髪の毛をむしりとる。家賃の取り立て、毎日のようにドアに刺さる借金と税金の督促。
母親もまた心を病んでいたち違いない。
何者にもこの母子を責めることなどできやしないのだ。責められるとするならそれはあの狂った親父だ。
いや、それともう一人。
その倅の俺だ。
そんな俺が……またその不幸な娘を犯そうとしている。
11歳の子供に合意の性交などあってたまるものか。
だけど俺はレナを救いたい。妹も、新ママもだ。間違っているかもしれない。
それでも……
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