事前にメールでやり取りする限り、祖父の時計や湯飲み、スーツやネクタイが
院長室に残されていた程度で近日中に帰るという事だった。
僕は慌てて病院のあるT県に向かった。
母は病院に隣接した祖父母の家に泊まっていた。
病院の片づけという名目で僕も駆けつけ、祖父母の家に泊まろうと企んでいたのだ。
何故かって?
ここなら家族の目を気にせず、母を卑猥な目で見ていられる。もちろん、母に気が付かれないようも
する事は実家であろうと一緒だけれど。
あわよくば洗濯物を漁って…と極めて小さな目的であった。
駅に着くと、雨の中、病院までの道を歩いた。
雨のおかげで幾分か暑さが和らぐ道のり、母に会える興奮で足取りは軽く、10分ほどで懐かしい
病院に到着した。
同時に雨が強くなり、急いで病院の裏口に回った。
予期していなかった僕の到着を母はどう迎えてくれるだろう。
靴を脱いで院内に入るときれいに掃除され、いつでも開業できるよう
であった。母を驚かそうと忍び足で歩くと猫の鳴き声のような音が院内で響いた。
祖母の猫だ。院内で糞尿でもされたら大変だと鳴き声を追って歩いた。
廊下に並んだ診察室のドアはどれも閉まっている。
そのどこかに猫がいるようだ。
違う…猫の鳴き声ではない?
鼓動が早まる。足音をたてぬよう診察室のドアに耳をあてる。
「あ、ぁあ」
女の喘ぎ声。
無人の病院をいいことにホテル代わりに忍び込んだのだろう。
すぐにドアを開けてやろうと思ったが、他人のリアルな性交を見る事
など滅多にない。
各診察室は患者さんが入ってくるドアとは別に
看護師さんが出入りするための通路で繋がっている。
通路に移動し、女がいるであろう診察室を覗いた。
心臓が止まりそうになる、とはこういう状況だ。
診察室で半裸で男と抱き合い、唇を貪りあっているのは母だ。
スウェットは履いているものの上半身は何もつけていない母の乳房は
乱暴に揉まれ、うっすらとピンク色に指の跡がついていた。
互いの唇を吸い合い、唾液が行き交ういやらしい音と
泣くような母の籠った声が診察室に響く。
飛び出して行き、相手の男を殴り飛ばしてやろうと
思った。
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