手強いとかのレペルではない。俺の予想の遥か上に、いや、下にか。
あの親子の素性が判明した。
「どこの誰ともわからない女……」とかの言った俺の言葉に親父がニヤニヤ笑ったのだ。
「何が可笑しいよ」と苛立ちに任せて詰め寄るとソファーの上で足を組むとこう言った。俺は固まり凍りついた。
「お前、以前にも会ってるだろう、忘れたか」と。
全く記憶にないので考えていると
「まあガキだったからなぁ、ムリもないか」と言う。
胃の中の物が逆流しそうになった。
「あの時のかっ、あの女はあの時の子供かっ!」
そう、親父の部屋で親父のクンニを両足万歳で受けていたあの子だったんだ。
おの女がクリニックに来たのは娘の診察を受けるためだった。娘の顔を見て親父はすぐにわかったと言う。俺には既に記憶は風化してしまいわからなかったが親父はかなりの回数をその子と遊んだらしくその娘がその当時の子どもに瓜二つだったようだ。
もちろん診察室で親父を見た母親も直ぐに気づいた、あの頃自分を性玩具にしていたロリコン男だということに。
2度めの受診の時、母親の方から声をかけたという。
「お久しぶりですね……先生、私がわかりますか?」と。
「先生にはたっくさんの楽しい事を教わりましたよね」そう嫌みも言われたと親父が笑う。そんな事を笑えるところが親父の鬼畜さだ。
母親には結構な額の借金があったようだ。いや、今でも完済はできていない。親父が少しずつ返済をしている。娘の体と引き換えにだ。
一度には返さない。娘と会うときにだけ現金を母親に渡す。殆どラブホで娘と会うがその時母親は親父と娘が出てくるまで車の中で待つと言う。
これは……人身売買だ。完全に狂人だ。
籍を入れる話は親父の方から切り出した。母親は悩むこともなく受け入れたと言う。もちろん母親の方とも体の関係はある。
この経緯は妹には話していないらしい。妹は自分の部屋に籠ったまま降りてこない。俺の怒鳴り声が聞こえていたはずだ。
もしかすると俺は……もしかすると妹も諦めなければならないかも知れない。
兎に角この狂った家を出なければ俺のこの先の人生は終わってしまう。
妹にはもう一度だけ説得をしてみる。それでも親父から離れられないと言うなら……
あきらめるしかないだろうと思う。
この日記ももしかするとここまでになるかも知れない。
あまりにも、これはあんまりだ。文字に書くのも憚れる。
この世でこんなことが許されてたまるものか。
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