詳しいことはわからなかったようだ。
あまり深く突っ込むとやぶ蛇になりかねないのでヘルパーさんの情報は追わない事に……しよう、と思っていた矢先に送られてきたヘルパーさんのメールに愕然とした。
タイトルの通り俺はやっぱりダメ兄だった。最悪だ。
ヘルパーさんは紹介所へ行くには車で俺の家の前を通る。そんな位置関係からずっと長く同じ方をお願いしているのだが……
[お嬢さん、部屋の窓から見かけたんですがお休みでしたか]と、
少々パニックになりながらも[体調悪いとか言ってたんでそうかもしれません] そう返信をした。
昨日の夜も学校には行くと言っていたし体調も悪そうじゃなかった。ヘルパーさんが俺の家の前を通ったのは昼前頃だったと言うから学校から帰ってるには早すぎる。
今日は親父のクリニックは休診日だ。本当に妹だとするならば朝からずっと親父と過ごしていることになる。
あまり気が進まなかったがラインを交わしている援交したガキに確認した。やはり今日は学校へは来てないとの事だった。[朝に体調悪そうだったから休むように言ったんだけど……]と送ってみたら[だいじょうぶ、来てないよ]と返事があった。ついでに[ほとぼりさめたらまたやってあげてもいいよ]とか……ったく。
[まだ当分ヤバいと思うけど、その時は頼むな]適当にあしらった。
俺は甘かったのかも知れない。
親父のあの言葉をもっと真剣に考えるべきだった。
「お前の妹だという前に俺の娘だということを忘れるな」
「あれがお前と行くと言えばな」
「俺があれをここまで調教したんだ」
あの自信たっぷりな言葉をもっと重く聞かなければいけなかった。薬物を使われ理性を奪われて何年にも渡って体と心を洗脳、調教された子供がそんな簡単に俺に靡くと思ったのはあまりにも早計だったのかも知れない。
いや、もしかしたらあの不幸な娘を助けるために親父と何か自己を犠牲にして新たな交渉を……
いやいや、都合のいい推測は危険だ、、思いは二転三転。
今日は親父と直接なはしあおうと決めている。
このままでは拉致があかない。決断の時だ。
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