妹も親父の魔の手からあの子を守ることはあきらめている。
既に手遅れなのだと知っている。だからせめて一緒に苦しんであげようとしているのかも知れない。俺にはそのように聞こえた。
ただ、俺が同居に戻った時点で親父は妹に薬を飲ませることをやめている。もしかするとあの子にも俺が同じ家にいることで投薬はやめざるを得ないかもしれない。それならばそれだけでも大きな成果だと思う。
薬の効能と言うのは使いようでは危険な毒でもある。
あの娘に親父がどんな事をしているかは知らないし知りたくもない。だけど妹にしてきた行為を見ればだいたい想像はつく。障害を持つ幼い娘を抱えた母親が伴侶の協力もなく一人で生きていくにはこの社会は厳しすぎるのは分かる。いや、わからないと言われるかもしれないし事実わからないのかも知れない。それでも妹の言葉を借りれば「えさ」として娘を差し出すというのは絶対にあってはならないと思っている。
あれだけの美貌があるのだから言い寄る男になんか不自由しないだろうになんで親父みたいなドヘンタイに捕まったのか……確かに普通のオヤジに比べればいくらか金はある。しかしその代償として娘をと言うのは割りに合わなさすぎやしないか。
一旦は妹の優しさに絆されて協力すると約束はしたが本当に3Pだのあの娘とレズらせるだのとなったらあの野郎を殴り倒してでも妹は救いだすつもりだ。
妹は母親を失くした可哀想な子だが俺だって継母を含めれば二人も母親を失っている。あげくに可愛い妹まで失ってたまるもんか。
第一、こんな悪行がいつまでも続けられるわけがない。近いうちに必ず発覚して裁かれる日が来る。その時は俺も裁きを受けるかも知れない。妹という近親で、しかも14の子どもに性交をした鬼畜野郎として。
できることなら妹のためにもそうならないことを願っている。
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