何日かぶりの妹とのセックスが終わりキスを楽しんでまったりしていると妹が話を聞いてくれと言う。
妹はこの家を出ていかないと言うのだ。
「ヤッパ親父に逆らえないか」早合点でそう言った俺に首をふった。
「あの子とね、約束したんだ」という。
「何を?」聞き返す俺にこんな事をはなした。
「何を言っても何も答えないあの子にさ、これから私がお姉ちゃんになるんだから、何でも困ったことがあったら言うんだよ、お姉ちゃんがきっと何とかしてあげるからねって、」そう言うと今まで全くの無反応だったのに顔を上げて妹を見たんだと言う。そして微かな声で、でもハッキリと「ん……」と頷きも瞬きもしなかったが声に出してたしかに答えたのだと。
「私が出ていったらあの子ひとりになっちゃう」そう言うのだ。
「母親が毎日家にいるだろう」俺の言葉に目を見開いた妹が「それ、マジで言ってる?」と言うのだ。そしてこうも言った。
「お兄ちゃん、あの女のショウタイ見えてねーんだ」「あの女?、結構娘を大事にしてるようにしか……」俺の言葉を遮るように、でも小声になると「そらそうだろ、可愛い娘は大事なエサだかんな」
「えさ?」
親父はあの娘に既にイタズラを繰り返しているだろうと言う。しかも母親はそれを知りながら見てみぬふりを決め込んでる。親父からの生活費支援と、今となってはこの先の自分と娘の未来の安定を勝ち取るためにだ。以前にも書いたが初めてこないだ話した時の俺の印象とは違い妹はそう考えている。
「あの子もそれをわかってる、だから誰の言葉も信用しねえし聞かねえ、答えねえし心に蓋をして頭のなかで別の事を考え続けてる」
独り言をブツブツ言うのはそのせいだと妹は分析している。
「でも、私が助けてあげると言ったら返事をしたんだよ、助けてほしいって、おねえちゃんたすけてって」
言葉が何も出てこなかった。
このどうしようもない親父のセックスドールにされてしまった子が第二の自分になるだろうあの子を救おうとしている。俺は妹かわいさにあの少女を見捨てようとしていた。妹と自分さえ助かればあとはその後の成り行きで何とかすればいいとして逃げていたんだ。
「お兄ちゃん、お願い。私とこの家にいていっしょにあの子を救って」
思えば妹が4歳の時に亡くなってしまった妹の母親も優しい人だった。さほど美人では無かったと思うが本当に俺にも一生懸命に後妻として優しくしてくれた。妹はそんな母親の血を受け継いでいるのだと思う。
「そしたらね、私あの子と一部屋で暮らす。いつでも話を聞いてやれるし病気もぜってーに治してやるんだ」
だから俺にも協力してくれと頼む妹におれは異論を唱える言葉を探すことができなかったんだ。
「そっか……わかった」としか言えなかった。
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