親父と俺の犯した罪は重い。そう思っていたが甘かった。想像をはるかに越えて妹の闇は暗く深い。
「どうせお兄ちゃんだって私とヤりてえだけじゃねーかっ!ほら、早くやりなよ」
俺の部屋に入るなりベッドの上で裸になった妹に困った顔をした俺に投げつけた14歳の妹の言葉だ。
「落ち着けよ」そう言う俺の言葉に更に苛立ちを見せた妹が荒れる。
「ケツの穴だってヤらせてやるよっ、オナニーが見てえか?妹のアンアンオナる姿ながめてシコりてえかよっ、やれよ」
半裸になって荒れ狂う妹の体を抱き締めていた。
「そんなこと、いってない……頼むから落ち着いてくれ」背中を擦ると涙声になって細く言った。
「パパのだって、お兄ちゃんのだってチンポなんてみんなおなじじゃねーか……やれればいーんだろっ」
「だから、そんな事言ってねえよ、俺の話を聞けよ」
こんな事をいったい誰に妹は相談できるというのか。
誰が妹の心を救い、この漆黒の暗闇から引きずりあげてくれると言うのか。
ベッドの上掛けで半裸の妹の体をくるみ暖めて抱き締めた。泣きながらなおも毒づき続ける妹が落ち着くまで黙って抱き締めていた。
「俺とこの家を出ねえか」そう話し始める俺の顔を涙でいっぱいの目が見つめて泳ぐ。
「パパからラインがきてた」先手を打たれた。
「おまえはパパと、離れたりしないよなって……」
やはり親父はこの可哀想な娘を、自分が端正込めて「調教」したと言い放つ子供を手放すつもりはないのだと知った。
子供は親という保護者が認めなければ何一つこの社会では自立が認められない。親は、保護者は無償の愛情を子どもに授けるものという前提で全てが決められているためだ。だからそうではない保護者の下で苦しむ子供達に法は全くの無力なのだ。児童相談所の怠慢やおぞまし悪意さえ感じる対応を見ればよく分かる。
だから兄という立場の俺ができるこの先の妹に発生するたくさんの法的な手続きには逐一「親」の承諾がまだまだ必要なのだと思う。
それでも、先ずはこいつを助け出さなければと思った。親父が泣いて震えているこの小さなガキをこれからも凌辱し続けると宣言したという以上俺が成すべきことは自ずと決まっている。
それだけは避けたいがしかし、どうしても必要ならば親父と俺と罪を償う事になろうとも刺し違えてでも妹を救わなければならないと思った。
今日は学校へ行かせた。行くと約束をしてくれたので行ったと信じている。
昨夜は妹と1つのベッドで寝た。
いつもは背中を擦ってあげてるので手を当て、躊躇い手を離すと俺の心中を察した妹が頭を俺の顔に寄せる。甘くいい香りの髪だ。「やっぱりさ」そう言葉をかける。無言で小さく頷く妹に「この匂い、好きだなオレ」と言うと「うん」やっと声に出して返事をくれた。
そして「せなか……さすって?」と言う。
妹が寝息をたて始めるまでずっとその小さな背中を静かにさすり続けていつしか俺も眠りに着いていた。
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