「お願いがあるんだけど」妹が言う。
「どうした、金欠か?」と聞くと真面目に聞いてくれと言う。何だか深刻そうなのでスマホを下ろして向き合った。
それは、つらいつらい妹のお願いだった。何もかも理解した上で堪えてこれと言う。無言で頷き了解をした。
妹が今、生理の真っ只中だという話は書いた通りだ。
妹のスマホに親父から連絡が有ったという。
「今夜はヤるからアイツ(俺のこと)とはするな」と。
「親父、お前が生理中って知らねえのか?」と妹に聞くと首を振って「しってる……」
「親父、生理のお前とやるってか」驚いて確認すると妹の話では昔から娘が生理になると何故かやりたがるのだとか。オリモノ混じりの臭う血に興奮するようだと言う。マジで他人の精神を治療してる場合じゃねえ! 治療が一番必要なのはあの親父だ。「許せねえ」そう思ったのが顔に出たらしい。
「お兄ちゃん、だからお願い」と言う。「わかった、何でも聞いてやるから言えよ」と答えると「今夜はパパとするけど……がまんしててくれる?」
「それで、お前はいいのか?親父にやめさせなくても……」と言いかける俺の言葉を遮るように「おねがい……」と言う。
妹に与えた精神的屈辱、そしてその裏腹に何年にもわたって与えられ続けた肉の快楽。親父は計画的に妹を洗脳し続けてきたに違いない。俺などがいまどんなに暴れたってそれはただ妹を苦しめるだけなんだと妹の瞳の中を覗いていてそう思った。
「わかった……だけど、もしも逃げたかったなら大声で俺を呼べよな、お兄ちゃん助けてって……直ぐに行ってあの野郎をぶっ飛ばしてやるから」俺がそう言うとみるみる顔を紅潮させて目に涙をためた。
静かに腕を首に巻き付け抱きついてきて「ごめんなさい……お兄ちゃん、ホントにごめんなさい」と声を震わせた。
その華奢で細い体を抱き締め、妹の背中を叩きながら無言で何度もなんども頷くしかなかった。
俺の部屋に妹が入ってきたのはもう2時近くになる頃だった。
しっかりと抱き締めるとキスをした。
「だいじょうぶか?」俺が言うと「うん」と頷く。
「そっか……つらかったよな……偉かったな」と言うと泣き出してしまった妹が「ごめんなさい、ごめんねおにいちゃん」と謝るのだ。
「ばか、謝ることなんかねえよ、…何も心配すんな」背中を擦った。
親父は血まみれの妹のオマンコを犯して満足して眠ったと言う。マジで殺意を覚えた。だけど目をつぶり耳を塞いで耐えるという妹との約束だ。
泣きつかれた妹が寝息をたてはじめるまで背中をさすり、ゆっくりと赤ん坊をあやすように叩いていた。
この家は狂っている。
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