灰と砕けた骨になった奴が祖父になるのか、父親と呼ぶべきか……
母親の父だから社会的には祖父。戸籍上もそうなっている。でも俺と妹を作った子種は奴のだから父親か?
母だってそうだ。戸籍上は俺達を生んだ母親だが、血縁としては母も俺達も奴の精子から……
全く面倒くさい事をしてくれたもんだ。
昨夜は母の布団の中で奴の話を聞いていた。
性欲は異常に強かったらしく、しかも子供に対して特殊な性癖を持っていたらしい。
そのため母も幼い頃から奴のイタズラ被害にあいながら育ったという。
簡単に言えばロリコンだったわけだ。数少ない村の女児への悪戯が発覚して村中の騒ぎになり事実上の村八分(嫌われ者)だった。
葬儀には一応村の人間も焼香には来たが俺達にすら冷たい視線を向けられた。連中は母親と俺達の出生の秘密に感づいているのだと思った。
だから俺が棺の前で妹の腰に手を回した時、妹は異常なほどの嫌悪感を表したのだろう。妹もそんな村の奴らの目を気にしていたのだ。
いくら隠してもクソ狭い村のこと、噂は1日で村中に広がったに違いない。
村の女児へのイタズラにしてもそうだ。相手はまだランドを背負った子供だったらしい。
通学路の途中に古びた小さな社がある。鳥居をくぐると登り坂で周囲は草木が茂っていて普段は誰も気にもしない社だ。
そこに連れ込んで女児の下着を下ろして触り、自分の物も握らせたりした。母から聞いたところでは相当ヤバイ事までしたようだが村の目を気にしてか被害にあった女児の親も奴の謝罪を受け入れ、警察沙汰にはしなかったという。
それもまたクソ田舎の陰湿な風習と言えるかも知れない。
いや、実は奴のヨメとその家の亭主が怪しい関係だったという噂があったらしい。もしかするとお互いの話し合いで示談になった可能性もあるのだろう。
そんなこんなで奴のヨメとは離婚となりヨメは都会へと帰っていった。
母の寝物語はまだまだ続いた。
何故か話に勃起している俺の物を握りながら母が溜息混じりに笑って呟いた。
「あんだも、ヤッパあの人の子だナ」と。
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