恋人同士や夫婦であれば、仲が良いと片付けられている事も、姉弟に引かれている一線は、あまりに残酷だ。
いずれは赤の他人と結婚して、曖昧な好意を盲信して、子供を作らなければならない。
激痛と生命のリスクを賭けた妊娠と出産。
全く割に合わない。
幼なじみで結婚した両親でさえ、妥協した相手に、失望と後悔を抱えながら、惰性で生活している。
運命的に同じ親から産まれた女と男。
本能的に始めてしまった過ちだったが、それを間違いないだったとは思えない。
避妊の為に、アナルで疑似セックスするようになっても、求め合う女と男の関係は、脆弱なモラル意識では止まらない。
但し、姉の価値観を押し付けるのも、弟の為にならない事も認識している。
愛を確かめ合えた私は、弟の恋愛を応援している。
弟に全ての初体験を捧げて辿り着いた思いは、些末なヤキモチも許さない。
でも、相手選びについては、小姑のように干渉した。
あまりに干渉したので、私がヤキモチを妬いていると邪推されて、ケンカになる事もあった。
学校を卒業した私は、シスコン気味だった弟との距離を作るように、大人の世界に足を踏み入れて行った。
ブラコンとショタコン気味だった私にとって、同世代や年上との付き合い自体も苦痛に感じた。
そもそも潔癖症みたいなところも災いして、外見や内面的な部分に、清潔感を覚えないと、相手を軽蔑したり、年上でも見下したりしていた。
そんな私を学生時代の友人は、S女じゃないかと言い出した。
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