戦後女優がもっとも美しく映える伝説の時代があったのだと思います。
いまやとっくに風化してしまいましたが間違いなくあったのです。
淀川長治という映画評論家が常々言っていました。
時代と状況がありえないほど女を虐待する時代には、女優はいかなる美貌にも勝る加速度を与えられてスクリーンに打ち込まれて映えるものなんだそうですよ。あの時代が凡庸であることを許さなかったのでしょうね。
自分が2歳の頃の、高峰秀子30歳。
ほとんど映画館でなされた洗脳教育のようなものです。
12歳の頃の岸恵子32歳岸田今日子は34歳。
彼女らは服を脱ぐどころか肩が見えただけで世間を揺るがす衝撃的なインパクトでした
15歳時代の太地喜和子だって、24歳でしょう。
みな死んじゃったりおばあちゃですがその刷り込みは凄いです。
アイドルとかまったくありえなかった世代なのでスクリーンの影響はいまでは想像できないほど凄かったと思います。
同年代以下のタレントなどとてもその光芒を前にすれば見落とししますよ。
そこへもってきて性情報が、裏腹にまったくといって媒体やメデアが無かったのです。
そんなこんなで自分の身体の変化や生理については見事に妄想に近いぐらいの接しかただったのです。いまから思えば信じがたい嘘のような話なので情けないです。
言ってみれば世代的に内面はマスヒステリのルツボみたいなものだったのでしょうね。
にもかかわらずまったく性愛へ向かう志向はよほどの幸運に恵まれないと都市部では絶無の隣みたいな状態だったと思います。
その都市風景が変ったのはたぶん70年代以後でしょう。
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