「えー、けっこう恥ずかしいねんで」
オレのしこってるの写真とってるくせに、オナニーくらいで恥ずかしがんな。
「女と男はちがうねん。男がしこってる話しは人にできるやろうけど、女のオナニーは誰にも言われへん」
「けど、女同士の下ネタはエグいんちゃう」
「それは男の妄想。男同士の下ネタとかわらん」
「そうなんや」
「めっちゃ恥ずかしいはなしやねんで」
姉ちゃん、ほんまにテレてんな。
「姉ちゃん、オレの怒りはそんなんでおさまらん」
「どうしたら、許してくれる」
「とりあえず、今夜泊めて」
バイト終わりで、めし食うたら、めっちゃ眠い。
「ええよ」
姉ちゃん、めっちゃわろてる。
「襲ったらシバく!」
「あん、感じる」
「アホか!風呂行くから、布団ひいて」
姉ちゃんの家は広い。
玄関あがったら台所と風呂とトイレ。
右側に部屋がある。
台所と続きで部屋があって、その右側にも部屋がある。
くわしくは知らんけど、わけありで家賃格安。
オレが風呂からあがると、台所のとなりの部屋に予備の布団ひいてあった。
姉ちゃんは家にいる時から、布団は夏冬、2枚ずつ持ってて、取りかえてつこてた。
オレは疲れと腹いっぱいですぐに寝た。
朝起きたら、姉ちゃん、仕事行ってた。
『朝ごはん食べや』
メモあって、台所には豆腐とワカメの味噌汁、塩サバの焼いたん、ハムの野菜炒め、だいこだきがあった。
オレの好きなんばっかり。
テンションあがるう。
姉ちゃん、近くのコンビニで買って来て、作ってくれたんやろな。
『冷蔵庫のヨーグルトと牛乳も飲みや。あと、冷たいミルクコーヒーも飲んでええよ』
オレの好きなもんばっかり。
そうや、オカンが朝早く仕事行ったら、姉ちゃんが朝めし作ってくれてた。
「朝、しっかり食べん男は事をなせん男や。男なら、朝はしっかり食え」
死んだじいちゃん、よういうてた。
ひとり暮らしで、できるだけ朝めし作ってたけど、姉ちゃんほどにはできへんな。
オレは姉ちゃんに、感謝して、洗いもんして、帰ろおもたら、カギがない。
姉ちゃんの家のカギない。
帰られへん!!
オレは姉ちゃんが、しっかりしてるけど、ぬけてるのも思い出した。
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