寒くなって目覚めた父親は、裸で眠っていた自分に気づくと、辺りを見回した。
見覚えのある娘の部屋で、寝息を立ててる娘を見て愕然とした。
髪の乱れた全裸の女。
股間は精液で汚され、無惨な姿で寝ているのは、紛れもなく自分の娘。
そして手を下したのが自分だと気づくのには、時間がかからなかった。
(どうして)
(なぜ)
数時間前の出来事なのに、記憶が曖昧になって行く。
(娘じゃない)
(オレが抱いたのは娘じゃない)
否定すればするほど、セックスした記憶が蘇り、罪悪感に苛まれて行った。
父親は、自分の放った精液を拭い、裸で寝ている娘に布団を掛けて、点けっ放しだった部屋の灯りを消して出た。
(なんで、こんな事を)
(どうして、)
自問自答しながら、身体に付いた娘の匂いを消す為に、浴室へ向かった。
それまで何年も愛しいと思えた娘の匂いが、良心の呵責となって苦しめていた。
(ダメだ)
(こんな事を、オレは望んでいなかったはずだ)
いくら洗い流しても、家族で同じ石鹸を使っているのだから、匂いは消えるどころか、父親の身体を包み込んで行く。
明け方の浴室で、叫びたくなるほど錯乱した。
脳裏に、幼かった頃の娘の面影を呼び出しても、あの身体の娘ばかりが過る。
死にたくなるような絶望感を味わっていた。
そんな時、娘は精液の異臭と、股間の違和感に、目を醒ましていた。
(生臭いなぁ)
(何かアソコに入ってるのかな?)
お尻の方まで濡れてる事に気づいた時、
(まさかオネショ?)
と思って、布団を捲り、股間を触って気づいた。
(これって、パパの、、、)
と思い、ティッシュで拭うと、脱ぎ散らかしていた下着と部屋着を来て、汚れたシーツと掛け布団を階段から投げ落として、下に降りた。
(お父さんは寝室でねてるのかな?)
と思っていると、脱衣所の扉が開いて驚いた。
「うわっ、お父さん、起きてたの?」
父親も驚いていたが
「ああ、おはよう」
と、ボソッと呟いて、寝室に入って行った。
(どうしたんだろう?)
と思ったが、娘は掛け布団とシーツを袋にまとめて、コインランドリーに持って行く準備をしていた。
精液を浴びた生臭さが気になり、娘は服を脱いで浴室に入ると、身体を洗わないまま、湯船に浸かって、昨夜の事を考えていた。
すれ違う様に入浴した父娘は、思いもすれ違っている事に、まだ気づいていなかった。
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