(寒い)
で、父親は目を醒ました。
気がついたら、寝室の布団の上で丸裸。
寝返りを打った拍子にタオルも落ちていた。
父親は慌てて、タオルを巻いて、脱衣所に置きっ放しの着替えを取りに戻った。
洗濯籠には、娘の服と下着が入れられていたので、娘も後から入浴したらしい。
湯冷めした身体を温める為に、もう一度入浴した。
あの娘が入ったお湯に浸かる。
浴槽に浸かりながら、あれが夢だと思うようになった。
風呂上りに寝巻きに着替えて、リビングに戻ると、髪にタオルを巻いて座ったまま、娘が眠っていた。
「風邪をひくから、布団で寝なさい」
というと、下足らずの口調で、
「パパだ!」
「一緒に飲みまちょうよ」
と絡んできた。
リビングのテーブルには、ビール瓶が二本、空になっていた。
父親の為に用意していたビールを、飲んでしまったらしい。
お酒に弱い娘は、自分で立ち上がれないほど酔っていたので、父親は娘の腕を肩に回して、二階の部屋まで連れて行った。
娘の部屋に入るのは久し振り。
ぬいぐるみと、アイドルのポスターが貼られた部屋とは変わっていて、漫画の単行本の隣には、資格をとる本や、実用書が並んでいた。
気がつくと、娘が布団の中でモゾモゾしていた。
父親が部屋を出ようとすると、
「待って」
と呼び止められた。
振り返ると娘は、ベッドの上で上半身を起こした。
掛け布団が落ちると、パジャマを着ていたはずの娘が何も着ていなかった。
すっかり成熟した娘の乳房が、目に飛び込んだ。
「ど、どうしたんだ?」
と父親が狼狽えながら尋ねると、
「今日の私は、ママの代わり」
「だから、パパとセックスするんだよ?」
と言ってきた。
父親は動揺した。
(娘は酔っているんだ)
と思って、部屋を出ようとすると、娘は父親の背中に脱いだばかりのブラジャーを投げつけ、パンツも投げようとして握っていた。
「パパの意気地なし」
酔っているせいか、娘は夜中なのに、近所に聞こえるほど、大きな声で父親を罵った。
妻の留守中、近所に噂が広まれば大事になる。
娘の顔を見たら、睨み付ける瞳が涙で潤んでいた。
何とか娘を落ち着かせようと、父親は娘の傍らに座り、話をしようとした。
娘は投げつけようと握っていたパンツを、ベッドの下に落とした。
「この前デートで、彼にオッパイを触られたの」
と話し始めた娘は、涙を溢しながら、デートの状況を話し始めた。
つづく
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