『ねぇ』
私は甘えたような声を出した。
『なに?』
『私ピル飲む事にしたから』
兄の眉間に皺がより、切なそうな顔に変わった。
『だって妊娠とか怖いでしょ?それにさ』
次の言葉は、ちょっと勇気がいった。
『ゴムなしでしたいんだもん』
『俺のため?』
『違う。二人のため』
『たかこも生がいいの?』
『てか、中で受け止めたいの。なんか寂しいの』
『そうなんだ』
兄は一呼吸おいてから『合わなかったら止めろよ』とだけ言った。
けだるい時間が流れる。
『今日はしないの?』
『したいの?』
『私はしたいよ。まだ生は無理だけど』
『わかってるよ』
『キスして』
兄の顔が近づき目を閉じた。
兄の肉厚の唇がふわふわと重なる。
口を半開きにし、舌を絡めながら兄の下半身を触った。
『ちょっと待って脱ぐから』
兄が脱ぎはじめ、私も全裸になり横になった。
『最近さ、遅いから何か言われん?』
『残業って嘘ついてる』
『ばれないようにな』
『大丈夫だよ。たぶん』
罪悪感がまったくないわけじゃなく、兄にいたっては半ば強引に関係を持ったようなものだし、内心不安でたまらないのだと思った。
ゆるゆると繋がり、兄は罪悪感と快感の狭間で欲望を吐き出す。
私はそれを嬉しく思う。
少しの苦しさと引き換えに兄の唇も指も体も好きに触れる。
他人だったら良かった。
幾度となく考えた。
他人だったら出逢えなかったかも。
感情は揺れるけど、私達は兄と妹。
それは紛れもない真実。
兄はいつか彼女を作るだろう。
その時に後悔がないように、今は兄を絶え間なく貪りたい。
やりきったら悔いが残らないと思うから。
早くピルが飲みたい。
『ねぇ。ピル飲み始めたら1日中エッチしてみようよ』
『いいね。出来るかわからんけど』
『してよ。朝から晩まで』
『わかったよ。ちょっと本気出すから電気消すよ』
兄は暗闇で私を女として抱いた。
兄の背中に手を回し、唇を押し付けあう。
ただひたすらに腰を振る兄。
応えるように喘ぐ私。
喜ぶような粘膜の音が絶え間なく続き、兄に音を指摘され、恥ずかしさの中でイッた。
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