続き、その2です。
待ちに待ったその日がいよいよやってきた。
父は朝早くに家を出ていった。これから1週間は母と二人きりの生活の始まりだ。
事前に入念に計画したこともあって、あの日のことは今でも鮮明に覚えている。
その日の朝、母に、自分も今日から1週間会社を休みにしたことを告げた。
そのあと、晩ごはんはいっしょに外で食べる事を約束して夕方までは普通に過ごした。
そして夜、私たちは少し離れた所にある小マシなイタリアンレストランに夕食に出かけたのだが、まず、ここで母の女っぽさを引き出す計画はみごとに成功した。
母はまるでデート前の女の子のように服装はどんなのがいいか、あれこれ私に聞いてきた。
普段はたいていパンツ姿なのにその日だけはスカートだったし、髪の毛もいつもは後ろで束ねてるのに、その時は下ろしていた。
化粧も入念にしてるようだった。それに、どことなしかうれしそうだった。
食事中、お酒が入ったこともあってか、やはり母は終始楽しそうにしていた。
食事のあと、計画にはなかったのだが、母があまりにもハイなので、カラオケも行くことにした。
カラオケ屋まで行く途中、母は腕を組んできて「たろうとこうやってデートできるなんて夢みたいだねぇ。私たち周りから見るとどう見えるのかな?」とか言って、いたずらっぽそうにクスクス笑ってた。
「今日の母さんけっこう若く見えるし、恋人同士に見えるんじゃない?」とか言ってよろこばせといた。でもほんとにあの日の母はいつにも増して綺麗だった。
で、カラオケでさんざん盛り上がったあと、私たちは家路についた。
ではこの続きはまた今度。
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