「澄子さんも激しかったよ」
「そう…?こんな若い子が相手なんて久しぶりだからはりきっちゃった」
「澄子さんは…今日はどうするの…?」
「ん~…もう家に戻ろうかと…」
「疲れた?」
「えぇ…カズちゃんでもう三人目だもの。」
夜の集会場は静かだ。 おそらくもう誰もいないのだろう。
「今日はもうみんな帰ったのかな…?」
「さぁ…まだその辺にいるとは思うけど…」
「その辺って?」
「あぁ…外でする人も多いから…」
「みんな…寝ないのかな?」
「一度家に戻って休み人もいるわ。…起きっぱなしの人もいるけど…」
「そうなんだ…」 母さんはどこにいるのだろう。 ふと頭をよぎる。
「カズちゃんも外に行ってみる?途中までなら連れていってあげるから…」
「あ、うん…お願いします…」 そういうと二人でのろのろと起き上がって服を着替えた。
一度お茶を飲んでから集会場を出ると肌寒い風が頬に当たる。
「今日はけっこう冷えるから…外より家のほうが多いかもしれないけれど…」
「家の中…?」
「うん…でも見ればすぐに分かるから。こんな日に灯りが……。」
澄子さんの横顔を見る。 視線に気づいた澄子さんが照れたような表情を見せた。
「カズちゃんは…お目当ての人はいるの?」
「…んん…うぅ~ん。…あ、そういえば…」
「うん?」
「………母さんって………どこにいるのかな?」
「母さんって…ゆみのこと?」
「うん…財布預けっぱなしなんだけど…」
慌てて理由を付け足したが澄子さんは口ごもってしまった。 こんな日は会わせたくないのだろう。
「お財布…預けてるの?」
「うん…帰りにコンビニでも寄ろうかと思って…」
本当は財布もコンビニもどうでもよかった。 母さんの居場所を聞く口実が欲しいだけだったから。
「何か欲しいものがあったの?」
「ううん…覗いてみようと思っただけで…別に」
そういうと澄子さんはほっとしたような顔を見せた。
「あ、ほら。あそこ…」 澄子さんが指した先は地元の神社だった。
連れられて入っていくと水飲み場で早くも男女が抱き合っているのを街灯が頼りなく照らしているのが見えた。
抱きしめあってるのかと思ってよくみると立ったまま交わっているのがわかる。
これが祭りの夜なんだ、と改めて感じさせられる。
僕は生まれて初めて他の男女の行為を目の当たりにして昂ぶっていた。
「澄子さん…」
「うん…?さっきの女の人が良かった…?」
「そうじゃなくて…」 説明するのももどかしく、澄子さんの手を強く引くと神社の脇の藪に連れ込んでそこで押し倒した。
澄子さんはすぐに寛大さを見せて僕を受け入れてくれた。
野外で澄子さんを抱いていることに新鮮な興奮を覚えた。
5分ほどで手短に行為を済ませると澄子さんはティッシュを取り出して僕のモノと 自分の膣内を拭いて、丸めて自分のバッグに入れた。
再び僕らは真っ暗な夜道を歩き出した。 澄子さんの家の前まで来ると、本当はそこで別れるはずだったけど行くあても無かった。
「少し…寝ていったら?」 その言葉に甘えて部屋に寄らせてもらった。
風呂を使わせてもらってから澄子さんの部屋で一緒に寝た。
布団に入ってから当然のように澄子さんをもう一度抱いた。
「はぁ…カズちゃんって本当に若いのね…」
澄子さんに揺り起こされ目を覚ますと時刻は2時前だった。
「…夜が明けるとこの祭りはお終いなの…」
「そうなんだ…」
「…だから…最後はお目当ての人の家に直接行ってもいいのよ…?寝てたら難しいけ れど…」 窓の外はまだ真っ暗だった。
「あの…」
「うん…?」 勇気を振り絞る。
「母さんは…どこにいるか…わかる?」
「えっ…」
「………」
「………」 しばしの沈黙。
「たぶん…あそこだと思うけど………」
「いいの…?…そんなとこ見ても…」
「…」 まだ外は暗い。
でもいつ太陽が昇ってくるかと思うと心配だった。
僕の沈黙を見て僕の覚悟を感じたのか澄子さんは言った 。
「………連れてってあげるから………服着て……。」
家を静かに抜け出すと……。
「少し遠いけど…」
「…うん…」
それから何も話さずに歩き続けた。
村のはずれから山に向かった。 昔、僕が幼かった頃に連れられて散歩した記憶がある。
林道を過ぎ、小川にかかる丸太橋をわたる。
大量の伐採した木が野積みされている脇を通る。
「あそこ…」 澄子さんが指差したのは木こりの山小屋のような粗末な建物だった。
確かに窓から灯りが漏れている。
「ありがとう…」 そこで僕は澄子さんにお礼を言って別れた。
足音を殺して小屋に近づいた。
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