中3の年末は慌ただしかったよ。
マンションに引っ越し二人だけの生活に……。
テレビで新年明けましておめでとうと挨拶が始まった。
「明けましておめでとうございます。今年こそ俺と付き合って下さい」と新年早々告白。
そんな俺に苦笑しつつ母は立ち上がり、タンスから小さな箱を持ってきた。
「何これ?」と開けて見ると中には指輪。
「お父さんが昔くれた指輪。○○じゃまだ指輪買えないだろうし」
「えっ?」
と思っていると母はクスクス笑いながら、俺の前に手を差し出した。
それでも動かない俺に業を煮やしたのか
「鈍い男は嫌われるよ?」と 薬指をピクピク動かす。
俺もそこで気付いた。母の薬指に指輪がない。
「決して許されない事だし、二人とも苦労すると思うの。それでも本当に良い?」
俺は黙って母の手を取り、薬指に指輪をはめた。
母を抱きしめ、ありがとうと泣いた。
こんなに泣いたのは久しぶりだった。
母は優しく頭を撫でてくれた。
しばらくそうしていたが母が「初詣行こうか?」と言い。
毎年参拝してる近所の神社ではなく、少し離れた参拝客の余りいない小さな神社に行った。
(幸せになれますように……。)
と賽銭多めにあげてから鳥居の横で初めてキスした。
「順番があべこべだね」と母は笑っていた。
思いが通じ合えばキスだけでこんなに気持ち良いんだと感動した。
帰宅しておやすみのキスをしてその日は一緒に炬燵で寝た。
昼過ぎに起きて母におはようと言い、昨日入ってないからお風呂に入ろうとお湯を溜めた。
一緒に入ろうと誘ったら、「早速なの?僕のエッチ」と断られて少し凹んだ。
「女の子にはね、色々準備があるものなの。明日ね」と言う母に
「見た目若いけど38になるのに何が女の子だよ」ってつい愚痴ったら腹パンチされた。
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