『ううん、今までの事はもういいよ…。これからはずっと一緒だよ。絶対だよ。もうどこにも行かないで…。』って聖良も泣きながら言いました。
それを見ていた佐久間さんは、『これからは最高の時を二人で生きていきなさい。力を合わせて、しっかり生きていくんじゃよ。それじゃ、後は二人に任せて、邪魔者は帰るとするよ。』って優しく言ってくれて、一人でタクシーで帰って行きました。
相談、新居、生活用品、生活資金、全部助けてくれた佐久間さんにお礼を言い、絶対にお父さんと幸せになりますって約束しました。
聖良とお父さんもタクシーでアパートに行きました。1DKで、冷蔵庫、洗濯機、レンジ、テレビ、エアコン、充分過ぎるほど揃えてくれた佐久間さんに、お父さんは申し訳なさそうにしてました。それに佐久間さんのコネで仕事も見つけてくれてて、『一生懸命働いて、金、返してかんとな』って言ってました。
この日のために買い物へ行ってたので、お父さんの為にご馳走を作ってあげました。久しぶりの外で食べる食事に、お父さんの目は潤んでました。
色々考えることがありすぎて、あまり会話はありませんでした。でもお父さんがすぐそこにいるってだけで、もう満足でした。
聖良が洗い物をしてる間にお父さんはお風呂へ。やっとリラックスできたのか、凄く長い間入ってました。その後、聖良が入りました。もう気持ちは固まってました。だから念入りに体を洗いました。
布団を敷く時、、一つしかないのを見てお父さんはちょっと慌ててる感じでした。『俺はザコ寝するで、聖良が布団使え』って言ってきたので、『なんで?…一緒に寝よう…』って聖良から言いました。お父さんはまだ慌ててたけど、一緒に布団に入りました。凄く密着してたから、心臓がバクバクしてました。
一緒に布団に入って電気を消して、やっと今までの話とか、中学生活の事とか、お母さんの再婚相手の事とか、刑務所の暮らしとか色々話しました。一時間位は喋ってました。会話が途切れた時、聖良は思い切って言いました。『ずっとお父さんの側で暮らしていきたい、支えてあげたい、新しい妻みたいになって全部のお世話してあげる』って。
そしたら、お父さんは頭を撫でてくれて『ありがとうな。頼むな。』って言いました。多分聖良の言った本当の意味を分かってない感じでした。
だからもっと密着して、脚をお父さんの脚に巻き付けて、『何でもお世話してあげる』ってもう一度言いました。
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