『昨日の事は偶然だったの‥?それとも意識的だったの‥?』
僕は返事に狼狽えた。偶然と言えば良いのか‥それとも意識して‥と言えば良いのか、頭の中で言葉を必死に探した。
『偶然だったけど‥途中からは‥!』
『途中からは‥何?』母さんは僕に何と言わせようとしているのか、間を措かずに問いかけて来る。
『偶然だけど、あんな風に母さんに触れたら母さんの柔らかさが伝わって来て‥離れられなくなってしまった』『それで、あんなに成ってしまったの‥!』『うん‥。』
『私は、あなたの母親なのに‥母さんで、あんな風に大きく成ってしまったの‥?』
『だって‥あんな風な格好に成るなんて初めての事だし‥』
その後、暫く沈黙の時間が出来た。
母さんは黙って立ち上がり食器を洗い始める、水が勢い良く流れる中で母さんが呟くように言葉を口にする。
『今も昨日の感触は残ってるの‥?』
すかさず、うん。と答えた。
『そう‥!』
母さんの短い返事に僕は戸惑った。
迷いに迷った挙げ句に僕は立ち上がり台所に立つ母さんに近づいた。
僕の気配に一瞬、身を固くさせた母さんだが『母さん‥。』
と呟きながら後ろから身体を寄せても、避ける事なく洗い物を続ける。
『母さん‥!』
再度、呟きながら肩に手を預けた。
『後戻り出来なく成っても良いの‥?』
母さんの肩は息遣いで大きく揺すれている。僕は『母さん』と繰り返し呼びながら更に身体を密着させて行った。
『二階に行ってなさい‥洗い物を終えたら‥後で‥行くから‥』
震え声で母さんが言った。
素直に頷き僕は一足先に二階の自分の部屋に戻った。
それから、どれくらい待ったのだろうか‥やはり来ないんじゃ無いかな?と思い始めた時に階段を登る足音が聞こえ、部屋のドアが静かに開いた。
大緊張の僕と同じで入り口には緊張した顔の母さんが立ちすくしている、僕はゴクンと息を飲み込む。
その間、僅かな時間で母さんは決心したかのように後ろ手でドアを閉め部屋に足を踏み入れて来る。
『母さんを馬鹿な女だと思う‥?』
『ううん。思わないよ僕の方こそ馬鹿な子供と母さんに思われて無いか不安だよ』
『これだけは約束して‥この事は絶対の秘密だから、生涯あなただけの胸にしまって措くって事を約束して‥』僕は何度も何度も頷き目の前に立って居る母さんを抱き締めて居た。
覚悟を決めた母さんは自ら唇を求めて来る。
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