これも俺がある程度経験をつんでわかったことだが、母のあそこの香りを初めて嗅いだとき、それがオスを引きつけるフェロモンみたいなやつなんだとわかった。
母、妻を含め、数人の経験で、母ほど強烈に脳を刺激した女を俺は知らない。
妻と結婚を決めた理由、母にはかなり劣るが、母が持っている男を引きつける物があったからだ。
親父が金を使い、母を手元に残そうと必死だったのだと、俺が成人したあとに親父から聞いた。
母も不自由ない生活を手放したくなかったのだろう。
もちろん親父の本当の家族から、俺達は嫌われている。
親父は本妻やその子供まで捨てて、母と結婚したかったそうだが、それでは本妻さんとお子さんが可哀想だと、自分は日影生活を選んだそうだ。
俺がかなり小さいとき、親父と本妻、母と俺が集まったことがあるそうだが、本妻は俺を見てこう言ったそうだ。
「この子が傷つくことのないようにはします。この子には責任は何もないのだから」
俺はそのとき、本妻が食べていたプリンを欲しがったそうで、本妻はそれを俺にくれたそうだ。
でも泥棒猫の母には非常に冷たかったらしい。
おそらく、あと数年で還暦を迎える母を見て、そんな年なのかと思う人はいないと思う。
妻の母は俺の母より少し年上だが、とても同世代とは思えない。
「美容でこんなに若返りました~」
みたいなCMを見るが、母は作られたものではなく、素のままでもCMに出てくる人と変わりないし。
俺と母と俺の子で買い物に行ったとき、店員さんは俺と母を夫婦と勘違いし、母が孫ですよと言うと、他の店員さんも驚いた。
妻と一緒だと姉妹に見られるらしい。
母はまだ40代前半くらいにしか見えない。
俺との関係が母の老いを遅くしたのかもしれない。
日影生活なので親戚付き合いも疎遠され、友達も少ない母は少し淋しいかもしれない。
でも俺が独立してからは、いろんなことをやりだし、日影ものと陰口を叩かれても、陰口を叩かない人と交流を深めようとしている。
いろんな苦労してきたんだろうと妻が時々いうが、俺が知らない辛いこともあったんだろうことは想像できる。
だから俺は母が幸せになれるように、年老いた親父が面倒見れない年になってきてるので、俺が頑張ろう、そう思っている。
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