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2012/07/18 20:25:54 (AOUc3ud6)
哀戦士

 『あいこ』は僕とセックスするまで、イッたコトがありませんでした。その原因は『あいこ』自身にも分からず、おかげで解決法が分からないまま、ず~っと悩んでいたそうです。

 バカ姉の話だと、オナニーとレズプレイでは、『イキまくり』だったそうで、『もしかしたら、ガチでレズかも…』と思い、さらに悩みを深~い物にしてました。

 当然、元カレの『ショウたん』とも、イッてませんでした。

 この時、僕は気がつきませんでしたが、そのコトが『ショウたん』の心残りだったみたいです。根拠の無いイケメンのプライドが、『俺のテクでイカなかった女』を許さなかったみたいでした。

 その、どうでもいいプライドがアダとなって、危険な『「あいこ」地雷』を踏んでしまいました。何とか地雷処理をすれば、被害範囲は小さくて済みますが、その処理テクを持ってるヒトは、この場にはいませんでした。

 僕も巻き添えを食う危険が、100パーセントありました。もはや、『逃げるっ!』しか道はありませんでしたが、身体とチンポがガチガチに固まって、指一本動かせませんでした。

 『あいこ』のオーラがあふれて来ました。その威圧感に僕の心臓は止まりそうでした。『シンゴ』と『ハラニシ』も感じているようでした。二人とも片足が僕たちの反対側を向いていて、『ダッシュ』の準備をしていました。

 『ショウたん』だけが気付かずに、それともワザと無視してか?、みんなが『…頼む、やめてくれっ!』と思ってるのに、イキッてしゃべってました。

 「何のビョーキかってぇ~? 俺の口から言わせてイイのか~? えっ? 『不感…』、」



 僕には『ショウたん』が、『フ……』と発音した音までが聞こえました。



 不意に僕の前から『あいこ』が消えました。僕が見たのは、まるで『人魂』のように『フワワ~ッ』と空中を泳ぐ、『あいこ』の茶髪でした。

 それがまた『フッ』と消えました。



 『ザクッ!!!』



と、僕には聞こえました。『ショウたん』が一瞬固まり、すぐ『とろ~ん』として、『ふにゃっ』と地面に小さくまとまりました。それと同時に『シンゴ』と『ハラニシ』がダッシュしました。

 僕たち、中学生の方が良く知っていました。『猛獣に背中を見せて、逃げてはいけない!』って…。必ず、猛獣が本能むき出しで、追い掛けて来るからです。

 足がもつれた『ハラニシ』が転倒しました。倒れた仲間二人を気に掛けもしないで、ひたすら全力で走っていた『シンゴ』が『あいこ』に追い付かれて…。



 ここで僕は、まばたきをしました。



 次に僕の目に飛び込んできたのは、『シンゴ』が身体を『く』の字にして、ゆ~っくりクルックルと回って、コテッと倒れる場面でした。それを見届けた『あいこ』が戻ってきます。

 起き上がった『ハラニシ』が、覚悟を決めて『あいこ』に向かって行きました………。『あいこ』の銀色のパンティーをはいた、お尻が見えました。

 もうひとつ僕たちは、大事な事を知っています。『猛獣に勝とうなんて、思い上がったマネは、やらない方がいい』って…。

 『あいこ』が右足を上げたのは分かりましたが、僕には、その右足は見えませんでした…。

 『ハラニシ』はファイティングポーズのまま、『あいこ』の前で、『パタン、パタン、』と小さく身体をたたんで、正座をするよう崩れると、コテッと横になりました。

 僕は『あいこ』が戻って来るのを見て、いつの間にか『あいこ』が裸足になっていたことに気がつきました。小さく小さく固まったまま震えている『ショウたん』の前に、『あいこ』が仁王立ちになりました。



 「お前…、さっき何か、言ってたよな? もっかい言ってみな…。」



 ここで『「あいこ」クイズ』です。

 Q・『ショウたん』が言おうとしていた、『ふかん…』の後に続く言葉は?



 シンキングタイムは相変わらず無制限です。地獄のメトロノームが、きっちり『蹴り』で一秒を刻みます。解答者の『ショウたん』は、

 「ご、ごめんなさい…、」

と、苦しげな息の中、謝罪の言葉を搾り出しました。『あいこ』は低い声で、

 「『ブー』って、言ってみな?」

と、『ショウたん』に返しました。震えながら『ショウたん』は口をすぼめて、『ブ』と言おうとした途端に、



 『ドムッッッ!!!』



と、深い爪先蹴りが『ショウたん』の腹に、突き刺さりました。『ショウたん』は、



 『グぉフぅぅ………っ!』



と、呻きました。肺の中の息を吐き切らされた『ショウたん』がさらに、もっともっと小さくなりました。

 僕は、『ああ…、「ガン〇ム」って、コレなんだ…』と思いました。噂に聞いた『恐怖の機動〇士』を目の当たりにして、脇汗が滝のように流れ、猛暑日の熱気が残る夕暮れにヒンヤリしたモノを感じました。

 「てめぇ…、『不正解の音』も、『不正解』しやがって…、」

と、地獄の底から響いてくるような声で、『あいこ』が怒りをあらわにすると、情け容赦無い蹴りが…、(これより先の描写は、青少年の育成に、ただならぬ悪影響を及ぼすものと判断し、読書の皆さまのご理解をいただきました上で、割愛させていただきます。)

 …と、なってしまい、僕はもういたたまれませんでした。

 これは『元カップルの喧嘩』の域を飛び抜けて、『命のやり取り』になってました。『ここで止めなきゃ…、ヤバいっ!』と思いましたが、身体が言うことを聞きません。『巻き添えを食うかも…』と思うと、息も出来なくなりました。

 僕は完全にパニクって、思考回路が一時停止しました。するとまた、あの白い空間の中に、僕はポツンと立っていました。どこからか、バカ姉の声が響いてきて、

 『付き合いなよ~、付き合いなよ~』

のフレーズが、頭の中でコダマしました。ふと僕は無意識に、『飛び込み』をしてしまう人のように、フラ~ッと『あいこ』の横に近づいてしまいました。

 「何だぁ、オラーッ!?」

 『あいこ』の怒鳴り声を聞いて、僕の意識が現実世界に呼び戻されました。この時の『あいこ』の顔を、真ん前で見てしまった恐怖感を、何と言い表わしたらいいか…。

 例えるなら、『獲物の喉笛に噛み付こうとしているライオンの、ガバッと開いた口との間に、頭を突っ込んでしまったような感じ』でした。

 ここで怯んで何もしなかったら、僕は『ショウたん』の頚椎骨もろとも、頭蓋骨を『バキバキッ!』と噛み砕かれて一巻の終わりです。

 実際には、顔面か肋骨に『右肘』を突き刺されてから、『蹴り』で吹っ飛ばされるか、それとも叩きつけられるか、…を、されてたと思います。



 「『あいこ』さんっ、つっ、すっ、好きでーーーすっ!!」



 とっさに僕は、バカ姉の暗示に導かれるまま、『付き合って下さい』と言おうとしたところを、間違えて『好きです』と、叫んでしまいました。

 
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13
投稿者:ともゆき
2012/07/22 04:56:48    (am16RDEW)
コメントをお寄せ下さった皆さん、大変ありがとうございます。厳しいご意見、ご指導、身に染みております。ごめんなさい。
12
2012/07/22 00:25:25    (o5e2DRBi)
近親相姦じゃないなら他所行かない?

11
投稿者:(無名)
2012/07/20 01:03:57    (877kZXvx)
新スレじゃなくて一箇所にまとめてもいいんじゃない?
アイコ様メインで近親じゃなくなってるし
アイコ様好きだけどさぁ
10
投稿者:
2012/07/19 22:30:16    (gfQ3mMmE)
電子書籍化決定
9
投稿者:(無名)
2012/07/18 23:30:44    (nRhpOgx5)
おっと、今回は9番目になってしまった
相変わらず面白いですね。将来の小説家ですね次からはハンネを愛読書1号でいきます期待して次回作も待ってますよ
8
投稿者:あきら
2012/07/18 23:07:04    (R3dx2/MD)
やっときましたね(^-^)/。
エッチ描写がないのに興奮します。
近親相姦描写もないのにきちんと枠内におさまる文才はすごいですね。
完結まで続けてください(^_-)-☆
7
投稿者:ああん ◆4cSIZRDFmM
2012/07/18 22:55:30    (yv2hZKPK)
追伸
けちつける気はもうとうないが、もう少し
行間詰めてかけないか? 
スクロールしないといけない。
6
投稿者:ああん ◆4cSIZRDFmM
2012/07/18 22:52:40    (yv2hZKPK)
AVの様に、入れポン出しポンだけの描写ははいらん。
これでええ。続投待つ。
5
投稿者:(無名) ◆SNuCULWjUI
2012/07/18 22:16:11    (LzM4wvK2)
焦らず、ゆっくりと貴方の才能を開花させてください。
4
投稿者:ともゆき
2012/07/18 21:00:01    (AOUc3ud6)
ありがとうございます。でも…、あんまり先読みしないで下さい(笑)。がんばります。

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