家にいたのは母だけだった。
客観的に見るとどうかわからないが、母は普通のおばちゃんだと思う。
線は太くないのだがお尻がでかく、愛嬌のあるおばちゃんだ。
その日は、リビングのソファーでゲームをしていた。
そのときチャイムが鳴って幼馴染みのヨシヒロ先輩がうちに来たんだ。
ヨシヒロ先輩は2コ年上の兄貴みたいな存在。
母はヨシヒロ先輩にお茶を出して、しばらくヨシヒロ先輩とリビングのダイニングテーブルに座って話していた。
30分ぐらい話をしていたが、母は洗濯物を取り込むために家の2階に上っていったんだ。
俺はまだリビングのソファーでゲームをしていた。
2分もたたないうちにまた山内がそーっと玄関のドアを開けて、俺に「母ちゃんは?」って声をかけたんだ。
俺が「2階にいます」って答えたら、山内はにやーって笑って忍び足で階段を登っていったんだ。
家の二階には父と母の寝室と、俺の部屋がある。
洗濯物は寝室に面してるベランダに干してるはずだから、母はそこで作業しているはずだ。
俺は山内が二階に上っていくのに違和感を覚えたが、ゲームを続けていた。