大学に入学したばかりの学生の姿を見て、俺が大学に入ったころのことを思い出した。
俺の母親は、俺が高校3年生の時に離婚して、俺よりも一足早く一人暮らしを始めてた。
大学に入った俺は新しい生活が楽しくて、夏休みの終わりまで5か月ほど母親と会わなかった。
母親も友達に紹介された仕事を始めたと聞いていた。
9月ごろに久しぶりに会うことになって母親のアパートへ行くと、母親は本当に別人かと思うくらい雰囲気が変わってた。
40歳になる直前だったはずだけど、化粧のせいか肌が見違えるように白く、綺麗になっていた。
髪形もフェミニンな感じの巻き髪になっていて、色もほどよく明るく染めていた。
ネイルをしてるのも初めて見たし、服装もワンピースを着ていて、そんな恰好をしてる記憶がなかった。
全体に、誰が見ても綺麗になってたし、すごく女性的で、優しく、柔らかい空気をまとっている姿を鮮明に覚えている。
離婚前の、どこか刺々しい雰囲気は全くなくなっていて、違う女性みたいだった。
久しぶりに会った母親には、再婚を考えていると話を切り出された。
俺も、どこかで覚悟していたのか、そんなには驚かなかった。
その直後に相手の男の人を紹介された。
母親より3歳年上バツイチで、後になって知ったけど、前の奥さん以外の女性との間にも一人子供がいるらしい。
かなり裕福で、女性経験が豊富であることは、大学生の俺にもすぐに分かった。
その1か月半後くらいに妊娠したことを知らされた。
すでに妊娠3か月ということだった。