「お~い、美友、いるか?」
妹の部屋のドアをノックするが、返事はない。返ってくるのは静寂のみ。
不在なのは分かっていた。けど、この前美友に貸した漫画をダチにも貸して欲しいと頼まれ、仕方なく部屋にお邪魔せざるを得なかった。一応メールで了承を取ろうとしたが返事がなく、何となく一声かけておかないと気がすまなかっただけだ。
父はゴルフで今朝早く出ていったし、祖父ちゃんも泊まりで出掛けてる。家には俺一人だから、余計な気など遣う必要なかったんだけど…。
妹・美友は16歳JK1。
新しいイメージDVDの撮影だか打ち合わせだかで、この週末は不在。妹はちょっと前からグラビアアイドルをやっている。きっかけは街中でのスカウトだった。まぁ声をかけられるくらいだから、ルックスもまぁまぁ。というか、兄としての照れを隠して言えば、ぶっちゃけ可愛い。そこらのアイドルを単品で比較したら、余裕で勝つと思う。
だから、一作目のデビューDVDもかなり売れたらしい。勿論芸名で活動してるけど、もしかしたら知ってる人もいると思う。雑誌のグラビアページにも載ってるし。
当然グラビアアイドルだから体もなかなか。やっぱり胸はデカイ。華奢だけど、わりと出るとこは出て、引っ込むとこは引っ込んでる。と言っても妹を性の対象として見たことは一度も無いとだけは断言しておく。
美友の部屋はきちんと方付けられてて、いかにも女の子の部屋だ。コスメかなんかの良い匂いもして、俺の部屋とは大違い。とりあえず漫画を探そうと、棚を一通り見た。
ティーン向けのファッション雑誌や、自分のグラビア写真が掲載された雑誌などがあるが、お目当ての漫画は見当たらず。すると、棚の一番隅の奥まった所にビニール袋に包まれた『何か』を発見。これか?と思い 中身を見てみたら、数枚のBlu-rayディスクが。無地のBD-Rのラベルには、ただ①、②、③…とだけ番号がふってあるのみ。『なんだろう…』と気になると同時に、何となく感じる胸騒ぎ。とりあえず今誰もいない。こっそりと自室に持ち出し、デッキにセットしてみた。
これを機に、我が家は運命が一変していくことになる…。
映像が写る。画面に現れたのは妹の姿。場所はホテルの一室っぽい。ゆったりとしたふかふかのソファに座っている。かなり広い部屋で、床から天井まである大きな一枚ガラス。その向こうには高層ビル群と、東京の街並みが眼下に広がるのが一望出来る、ものすごい眺めだ。この豪華さと高層階から言って、一流ホテルのスイートルームに間違いない。
ソファに座る妹はどことなく緊張した面持ちで、水を飲んだり辺りを見回している。イメージビデオのテスト撮影か?、そう思った次の瞬間、画面に現れたのは祖父ちゃんだった。
(何で祖父ちゃんが美友と一緒に?…)
美友がスカウトされたのはまだ中学生だった時。以前から芸能界に憧れていた美友だったが、当然父は大反対。だが、そんな一悶着に一石を投じたのは祖父ちゃんの一声だった。
「好きな事くれぇ、自由にやらしたれや。」
我が家の一番の権力者は祖父だ。地元でも有名な建築関係の企業を数社営んでいて、かなりの実力者。交遊関係もとても広い。
ところが後を継ぐはずだった父は、祖父と真逆のタイプで、人を仕切ったり前に立ったり出来るような器ではなく、要領の悪い父を見限った祖父は、父ではなく別の部下を次期社長に据えることに決めたのだった。
加えて、父が起こした自動車の過失自損事故の弁償費用数百万を、祖父が肩代わりして一括返済している。こんないきさつから、父は祖父に頭が上がらないのだ。祖父のこの言葉で、父は渋々美友にOKを出したのだった。
妹がグラビアの仕事を始めた経緯はここにある。
でもだからと言って、なぜ祖父ちゃんが一緒に撮影に?ソファの美友の隣に腰を下ろした途端、美友が祖父ちゃんの手を取り、握った…。
そして次の瞬間、
【それではスタートしましょうか。よろしくね美友ちゃん。】
突然現れた男の声。
「こんにちは。よろしくお願いします。」
はにかんだ笑顔で応える美友。祖父ちゃんは隣でふん反り返ったように座り、煙草をふかしている。
【緊張してるかな?】
「はい、ちょっとだけ…」
【そっか。でもお祖父ちゃんと一緒だし、大丈夫だよね!】
「はい、大丈夫ですっ・・・」
そう言って祖父ちゃんに笑顔を向ける美友。そしてその愛らしい笑顔をアップでとらえるカメラ。どうやらこの男の声の主は、カメラマンの様だ。
【それじゃあ、まず美友ちゃんの自己紹介からいこうか】
「えーっと…じゃあ…。美友は15歳で、今高校一年です。どうしよっ、他何言ったらいいかな…」
恥ずかしそうに照れ気味に笑う。
【まだ15歳か~!一番可愛い時期だね!それじゃあ好きな食べ物や、趣味とか聞いちゃおうかな~】
「えっと好きな食べ物はパスタです。趣味は、趣味って言うか最近は撮影してもらうのが好きです。可愛く撮れる角度とかも研究したりしてます。」
【そうなんだ~、じゃあ今日の撮影も頑張れるね!お祖父ちゃんの為にもね~(笑)】
下品な男の笑い声が不快だ。お祖父ちゃんの為に撮影を頑張る?どういう意味なんだ?
画面の中の祖父ちゃんと美友は、相変わらず手を握っている。男の言葉に合わせて祖父ちゃんを見つめる美友。そして密着するように座っている。
【じゃあ…そろそろ…本題へと移ろうか(笑)。】
「(コクンッ…)」
無言で頷き、再度祖父ちゃんを見つめる美友。頬が明らかに赤らんでいる。そんな美友をニヤニヤと眺める祖父ちゃん…。俺はこの不穏な胸騒ぎを抑えることが出来ずにいた。
【それではっ、まず美友ちゃんのスリーサイズとカップを教えて下さい。】
「えっ…と、バスト95、ウエスト59、ヒップ86で、Hカップ…です・・・」
【うわぁ~Hカップっ!?その可愛さでその巨乳!て言うか爆乳!全く美友ちゃんはお祖父ちゃん泣かせだ(笑)。】
「え~、そんなことないですよ~(笑)」
【いやいや、たまりませんよね?!お祖父ちゃん!】
男に問われ、ニヤニヤと悪どい笑を浮かべる祖父ちゃん。こんなあからさまな質問が飛び交うこのシチュエーションは一体何なんだ?しかもカメラは美友の巨乳をドアップに撮す。そして俺は唖然とさせられた。
画面右上に表示された日時は去年の8月。美友の服装は、キャミソールにデニムのミニスカートだ。だが、そのキャミソールにははっきりと突起が見てとれる。つまりノーブラという事だ。しかも祖父ちゃんと握りあう手は、いつしか指と指を絡ませあう握り方に…。
これはただ事ではない。言うまでもなく、祖父と孫娘という関係を超越した禁忌の匂いが立ち込めていたからだ。
【さてさて、ところで美友ちゃんはお祖父ちゃんのどういう所が好きなのかな?】
一瞬祖父ちゃんと顔を見合わせてはにかむ美友。
「そうですね~、男らしくて、逞しくて、凄くカッコいいです。」
【うんうん、お祖父ちゃんめちゃくちゃマッチョだもんね!それに二枚目で野球の清原に似てるよね、カッコいいお祖父ちゃんだよ】
「あ、やっぱりそう思いますか?お祖父ちゃん、やっぱり清原さんに似てるってまた言われたよ!あとそれに頼りがいもあるし、いつも美友をリードしてくれるし…カッコいいなって思います。」
【え~、じゃあ美友ちゃんはいつもお祖父ちゃんの言いなりになっちゃってるんだ~】
「やだ~そんな言い方しないで下さいー(笑)」
【でもそういう事なんでしょ?リードしてもらってるって事は(笑)】
「もう~変な意味じゃないです~(笑)」
【またまた(笑)。でも可愛くて爆乳の美友ちゃんと、マッチョで男前のお祖父ちゃん、凄くお似合いだよ~】
「だって、お祖父ちゃん!嬉しい…。」
「うん、凄くお似合いの二人だよ。お似合いのカップル。」
祖父ちゃんと美友がカップル?混乱しながらも、もう俺は画面に食い付くように見ていた。
【よーし美友ちゃん、お祖父ちゃんのその逞しい体、癒してあげよっか!マッサージしてあげて。】
「はい…。なんかやっぱり撮られてると変な感じ…。」
美友はソファに座る祖父ちゃんの背中と背もたれの隙間に入ると、肩を揉み始めた。
「お祖父ちゃん、どう、気持ちいい?」
「ああ、ええぞ。」
もともと無愛想でぶっきらぼうな祖父ちゃんは淡々としている。でもやはり悪どい笑みを浮かべ、ほくそ笑んでいるようだ。
美友の華奢な手が肩を揉み、二の腕の筋肉をほぐす。
【美友ちゃん、前に手回して、その凄い筋肉も揉んであげたら?】
「はい…。」
祖父ちゃんに後ろから抱き付いた格好のまま、美友は大胸筋や腹筋の辺りを揉みほぐした。
【服きたまんまだと、あんまり力伝わらないかもよ?】
「は…ぃ…。」
美友は顔を赤らめながら、男の意を汲み取った。
祖父ちゃんの着ていた黒いタンクトップの裾を掴むと、ゆっくり脱がせていったのだ。
【うわぁ、凄いっすね!お祖父ちゃん、マッチョ過ぎ!】
孫娘によって服を脱がされ、上半身裸になった祖父ちゃん。男が驚くのは無理もなかった。外国人レスラーばりの筋肉で、63歳とは到底思えないガタイの良さ。日に焼けて真っ黒で、盛り上がる筋肉が黒光りしているのだ。肉体労働に勤しみ、かつウェイトリフティングにラグビー、空手をたしなんでいて、筋肉の塊のような鋼の肉体だ。
【やっぱり美友ちゃんがお祖父ちゃんにメロメロになるの、分かる気がするよ。こんなごりマッチョな体見せ付けられたら、そりゃ美友ちゃんもおかしくなっちゃうよね(笑)。】
「うん…お祖父ちゃん…逞しくて…カッコよくて…好きです…」
そう言いながら、むき出しになった筋肉に手を這わせる美友。この『好き』がLIKEなのかLOVEなのか。この異様な空気感に、後者だと疑う余地もなかった。
【そっか、じゃあ今度は愛しのお祖父ちゃんに、美友ちゃんの体、マッサージしてもらおっか】
顔を火照らした美友は立ち上がると、今度は祖父ちゃんの膝の間にちょこんと腰かける。捲れ上がったマイクミニのデニムスカートが、ギリギリ下半身を隠していた。
「ぁっ…あ…」
ゴツゴツとした武骨な祖父ちゃんの手が、腰の括れ辺りを撫で始めた。
【ん、どうしたの美友ちゃん(笑)】
「な、何でも無い…はぁっ…ん…」
【何かさっきとは違う声がしてると思うんだけど、僕の気のせいかな(笑)】
「分かんない…です…ぁん…」
祖父ちゃんが美友の耳元で何か囁くと、小さく頷いた。
「あ、あんっ…はぁっ…う、うんっ…」
「おら、しっかり撮ってもらうんやぞ」
「あん…お祖父ちゃんっ、ぁあんっ…」
遂に祖父ちゃんの手が美友の豊かな胸を捕らえた。薄い生地のキャミソール越しに、たっぷりと詰まった巨乳のボリューム感が伝わってくる。そのキャミソールを突き破らんかの勢いで、みるみる尖り始める乳首…。
『近親相姦』
俺の頭に浮かび上がったこの言葉が、確信に変わった。しかも、母子でも父娘でも兄妹でもない。『祖父と孫娘』。この異常性愛に目眩を起こしそうになりながらも、とてつもない興奮が襲ってきた。