郊外にある大型ショッピングセンター内で、偶然に母親を見かけた。
声を掛けようかと思ったが、浪人一年生の俺は、今は予備校に行ってる時間で、さぼりを咎められるのも面倒なので知らぬ振りをする事に決めた。
買い物をする様子もなく、一箇所を行ったり来たりする母親。
一瞬、立ち止まりバッグから携帯を取り出すと耳元に運ぶ、耳元に携帯を運びながら辺りを見回す仕草。
確認したかのように携帯をしまうと歩き始める。
サラリーマン風の男が母親に近づいて来る。
人混みね中で暫く立ち話をする様子があり、並ぶように歩き始め、店内のコーヒーショップに入って行く。
浮気かぁ…?俺はコーヒーショップの外から母親の様子を観察し始めた。
向かい合って座ったまま何か会話をしている。
10分…20分ぐらい過ぎた頃に、二人は店を出て外に向かう。
興味津々で二人の後を追う、母親の軽自動車の運転席に男が乗り、母親は助手席に…間違いなく浮気…でも、その後を追う手段がない俺は、後の母親の様子を、くまなく観察をする事にした。