その頃の自宅は、淫のカオスが支配していた。母は以前にまして独淫を貪り、
父は母の性欲を放置した。そして、私は母の姿に欲情する日々だった。。
私は母の肉体が忘れられなかった。あの日、朧気な意識の中で感じた快楽。母
の肌は吸い付くような感触だった。
手摺られていた勃起が母の性器に飲み込まれた時、私は至福を味わった。その
時の私には、それが「許されない背徳行為」という意識が無かった。私は性欲
すら感じなかった。ただ、純粋に快感があって、私の性器は母の中で歓喜し
た。母の性器は滑りが夥しくて、生温かい感触だった。
その時に腰を動かしたのは母だった。母は私の反応を確かめながら、ゆっくり
と腰を動かした。母の性器は収縮と弛緩を反復させて、私の勃起を心地よく刺
激した。そして、私はいとも簡単に射精させられてしまった。
私は懊悩した。母の体内で射精したという事実は私を苦しめた。いかに脱力状
態での行為だとしても、一方的に母が挿入して腰をやったのだとしても、母の
膣内に射精した事は事実なのだ。それがいかに罪深い事なのか、私は悩んだ。
そして、私は淫蕩な母を恨んだ。
旅行から帰ってしばらくの間は、諏訪も家に来なかった。その間にも私の性欲
は昂進して、爆発寸前の状態だった。私は何度も自慰に耽ったが、欲望は鎮ま
らなかった。
肉欲に囚われて悶々としていたのは、私だけではなかった。母もまた自慰に
耽っていた。母は、私が覗いている事に気がつくと、こちらに向けて大股を開
いた。母は、誘う様な目付きで、時折私の方を見ると、再び目を閉じて股間を
弄り続けた。
母は、何の躊躇いもなく淫らな姿を見せていた。母は日常の何気ない動作の中
ですら、意図的に身体を寄せてきた。居間でソファーに腰掛けている時でさ
え、母はだらしなく両膝を離して「その部分」を私に覗かせた。
ある日の事、母は私をドライブに誘った。母が運転する車は、季節外れの避暑
地に向かった。現地は紅葉には早かったので、人は少なかった。私達は、林の
細道を散策した。母は私の腕にすがって歩いた。後ろから見たならば、それは
恋人同士に見えたかも知れない。