「まったく、何という母なのだ」少なくとも最初の段階では、当然の事ながら
父には秘密だった筈である。それなのに、母は父に見られても平然と諏訪と交
わった。それを見た父は強い性的興奮を覚えて、遂に自慰をしてしまった。そ
して父は、犯された妻の淫らな姿が強い興奮と快楽をもたらす事に、気がつい
てしまった。そして父は、寝取られの快感を覚えてしまった。父は、妻を他人
に抱かせて興奮する男になってしまった。そして、僅か三泊の淫旅行は、夫婦
の関係を決定的に変えてしまったのである。
「本当に諏訪は何も知らなかったのか?」という疑問は、今でも私の意識に
残っている。私には、諏訪の行為が大胆すぎると思えるのだ。いかに母の肉体
に狂ったとしても、旅行中の行為は見境がなさ過ぎる。
しかし、謎は謎としてそのままにしておこう。そもそも最初から淫らな行為が
目的だったなら、中学生の私を同行させる筈がない。私には、そう思うしかな
かった。
思うに、全ては成り行きだったのだ。そう思うしかない。そして、これ程の関
係になってしまった理由は、全てが母の肉体のせいなのだ、私は自分を納得さ
せた。もちろん、母にしても諏訪にしても、私が同行している旅行で、ここま
での事をするつもりは無かったに違いない。しかし、二人は制御不能の性欲に
突き動かされて、衝動的な行為を繰り返したのである