庶民の家は未だ、電化製品と呼ばれる物の無かった時代で食べ物に関しては、自給自足が多かった。
むろん現金収入も少なく、それが当たり前の時代だった。
夏場には午前中の耕作作業が終ると、簡単な昼食を食べ、真夏の暑い日光を避け昼寝をするのが日課と成っていた。
父親と祖父は二間続きの座敷の中央で、いつも昼寝をする。
開け放たれた両方の縁側から座敷の中を通り抜ける風は涼しく、私にとっても居心地の良い場所であった。
母親は廊下を渡った北側に面してる部屋で、しばしの休息を取る。
その部屋には窓らしき窓はなく、畳こそ敷かれて居るが、物置同然の場所であった。
板壁で高窓と畳の床の所に風通し用の小窓がある、欝陶しい気はするが、北側に有る為に直射日光も当たらず、小窓から入る風は、かなり涼しいものだった。
私と母親が、その部屋で昼寝を始めた。
どれくらい眠ったのだろう、寝返りをうった時に首筋に纏わり付く汗で一瞬、目が覚めた。
そこで見たのは、母親の何やら怪訝そうに眉をしかめ苦しげな表情だった。
母親は板壁を背に横に成って居る、枕に顔を伏せ汗拭いの日本手ぬぐいを噛みながらも小さく嗚咽を上げている。
幼さげにも、そんな表情の母親に声を掛けるのが躊躇われた私は、そのまま眠った振りをして居た。
カサカサと母親の足で畳が擦れる音、私は薄目を開け様子を見る。
良く見ると、ワンピースの裾が後ろだけ捲りあげられている、母親は、そんな尻の部分をモゾモゾと揺らしながら、食いしばるように顔を歪めている。
母親の尻の所には風通しようの小窓が、更に様子を伺うと、その小窓から手が差し込まれて居る事に気付いた。
誰かの手が母親の尻を触っている!
母親の表情は、いつの間にか苦悶の表情から歓喜の表情に変わったように見えた。
尻が蠢く度に裾は次第に捲れ、私の視界に白い腰の部分が見えて来る。
母親は更に身体を、くの字に折り曲げ小窓に押し付けるように尻を近付けた。
やがて母親は、小さな声と共に、身体をブルッと振るわせ足の指先まで突ったように身体を硬直させた。
固く目を閉じ、何かに堪えるような表情から暫くすると壁際で寝返りを打つように身体の向きを変えた。
その時に母親の尻の所から下着は脱げ足の付け根の所にあった。
母親は小窓に向かい手を差し出す、背中から見ると上に成った肩が、ゆっくりと動いている。