「今日は、お母さんの顔が熱っぽく見えます。ついでだから診てあげましょ
う」と、医者が言った。場所は、胸を患った私が寝かされていた自宅の部屋で
ある。襖一つ隔てた隣の部屋で母が着物の帯を解く音が聞こえる。暫くして母
は、着物の前を手で押さえながら部屋に戻ってきた。当時の母は37歳。私はま
だ幼かった。
「先生・・恥ずかしいですわ」と母が言う。医者が聴診器を耳に当てながら母
を促すと、母は胸に当てていた手で着物の襟元を少し開いた。そして、恥ずか
しそうに目を伏せて、母は俯いた。「もっと大きく開いてください、診察の為
ですから」「お子さんの前では恥ずかしいのなら隣の部屋で診ましょうか」と
医者が言う。すると母は、観念したかのように胸を大きく開いた。
母の乳房が露わになる。医者は聴診器の先端を母の胸に当てて、息を殺して聴
診を始める。母の顔を見ると、羞恥のせいか頬を少し赤らめている。医者の手
が母の素肌に触れると、母はピクリと体を震わせた。
日頃から着物を着ていた母の肌は、驚く程に白かった。両乳房は豊かに張り出
して、乳首は少し黒ずんでいる。乳首の周りには粒状のざらつきが見えて、そ
の外側は見事な乳白色だった。
聴診器の先端は母の胸のあちこちに押し当てられた。時折医者の手は母の乳房
にさりげなく触れてゆく。そして、その手が母の肌に触れる度に、母はピクリ
と体を反応させて、恥ずかしそうな表情を見せるのだった。
母は医者に促されて着物の上部をはだけさせた。医者は母に背中を向けさせる
と、母の背中に聴診器を当てた。そして、空いた手で背中を摩り始めた。心持
ち母の息づかいが荒くなったのが、私にもはっきりとわかった。
母の背中を撫でる医者の指。その動きは微妙だった。それは、母の素肌に触れ
るか触れないかの繊細さで、背骨に沿って上下した。こちらからは母の腰から
尻にかけての質感が見て取れる。母の二の腕の間からは、脇毛が黒くはみ出し
て見えた。そして、その脇の下あたりも、医者の手がするりと上下した。母の
脇の下から、一筋の汗が糸を引くように落ちたのを、私は見逃さなかった。
医者と母。二人が始めた奇妙な行為。少し脂肪が付きかけた母の脇腹を医者の
掌が撫でている。母は俯いたままで、じっと耐えていた。気が付けば母の背中
はほんのりと赤くなって、息づかいは荒くなっていた。特に、首筋から襟足に
かけてはピンク色に染まっていて、脇の下のあたりはうっすらと汗ばんでい
る。
やがて、医者は聴診器を耳から外した。「それでは触診しますよ・お母さん」
と医者が言う。母は無言だったが、その表情には明らかな困惑が見て取れた。
医者は、両掌で母の背中ら脇の下辺りを、するりするりと撫でている。母は、
俯いたまま大きく溜息を漏らした。
やがて、母の息遣いが激しくなる。医者が母の耳元で何かを囁くと、母は顔を
左右に振った。そして、両手で顔を覆ってしまう。医者が再び母に何かを囁く
と、母は「いゃ~っ」とか細い声を漏らした。しかし、その声を無視して、医
者の手が母の胸に伸びてきた。医者の指先は、豊かに隆起した乳房の周りを撫
で始める。
「あぁ~っ・恥ずかしい・・わたし・・・恥ずかしいですわ~」と、母が蚊の
泣くような声を漏らす。「恥ずかしい~先生・恥ずかしいわ~」と、母はしき
りに羞恥を訴えた。「だめょ~いけないわょ~」「ああ~っ だめょ~わたし
そんなじゃ~だめょ~」母の声は震えていた。そして、その声は少し鼻にか
かっていた。
明らかに、母の肉体は反応し始めていた。凛とした姿勢で正座していた母の姿
勢が徐々に崩れ始める。医者は、そんな母の反応を確かめるようにして、巧み
に身体を触り続けた。母は溜息を漏らす頻度が多くなる。白磁のように白かっ
た母の肌は、既にサーモンピンクに色づいる。
この時の母の気持ちは、察するに余りある。旧家の令嬢として育った母は、父
とは見合い結婚である。そんな母が古風な貞操観念を抱いていたであろう事は
容易に想像できる。その母が幼い子の傍で男に触られ続けたのである。しか
も、相手は病で寝込んでいる実子の主治医なのだ。
当時は今と違って、大病院などは近くに無い。つまり、往診してくれる医師は
絶対の存在で、この時の母に抵抗できる筈など無かった。しかも、行為の場所
は・幼い子の目の前である。母は私に見られたくなかったならば場所を移せば
いいのだが、そうすると自らの意志で相手を受け入れた事になってしまう。し
かも・母の肉体は女盛りで、執拗で巧緻な性的刺激に耐えられる筈もなかっ
た。つまり、母は絶体絶命の立場に追い込まれていたのである。
当時の私が幼かった事は母にとっての救いだったのかも知れない。事実「お子
さんにはまだ何も分かりませんよ」と、医師は何度も母に囁いている。そして
母は、どうにも拒めない相手の好色な手で触られ続けた。まるで母の気持ちを
見透かすかのように、医者は母を弄り続けたのである。
医者の手が母の腹部に降りる。「うぐっ・くっくっ・」と母が喉を鳴らす。母
は生唾を飲み込むような声を漏らした。
「あぁ~っ 恥ずかしい~恥ずかしいわ~」「先生~恥ずかしいわよ~」と母
が言う。医者は母の声を無視して性的行為を続ける。「いやょ~恥ずかしい
わょ~」母は何度も溜息を漏らした。母が漏らす溜息が次第に深くなると、医
者は「恥ずかしがっていると治療は出来ませんよ。息子さんはまだ幼いから心
配ないですよ」と母に囁いた。
医者の手が母の脇腹あたりを撫で始める。母の腹部は少し脂肪が付きかけてい
て、柔らかそうな質感に見えた。それは、中年太りと言うよりは少し前の体型
で、まだ胴体の括れがはっきりと見て取れた。若い身体と比べれば「だらしな
い肉体」だったが、この頃の母は申し分なく熟した女だったのである。
おそらくは母より少し年上と思われる医師の手は、母の乳房を弄り始める。医
師は、乳房の裾を軽く撫でる。男は注意深く母の表情を観察して、徐々に事を
進めた。医師は一時も母の顔から視線を離さなかった。自分の行為に反応する
母を、慎重に見極めている様子だった。そして、ついに医師は母の乳房を掌で
包み込んでしまう。人差し指と中指の間に母の乳首を挟んで、ゆっくりと乳房
を揉み始める。この時の医者の表情。それは、全神経を集中させて母の反応を
観察している様子だった。そして「はぁ~っ」と母が溜息を漏らしたとき、男
の手は急に活発に動き始めた。母の乳房は、好色な手に揉まれて形を歪ませ
る。そして、指に挟み込まれた乳首は硬く凝って膨れあがった。母は時折こち
らの方をチラリと見るが、すぐに向き直って激しく吐息する。そして母は、諦
めたかのように、されるがままになってしまったのである。
母の顔は激しく上気して、時折眉をしかめては、熱い溜息を漏らした。母の顔
を覗き込む医師の表情にも、はっきりと興奮が見て取れる様になる。
母の上半身は露出していたが、下半身はまだ着物に包まれていた。母は正座に
近い座り方をしていたので、着物の裾の部分は崩れていなかった。しかし、そ
んな母を医者は自分の方に引き寄せてしまう。母が蹌踉けて畳に倒れかかる
と、医者は母を抱いて支えた。そんな動作のうちに母の下半身は乱れて、遂に
母の黒いショーツが露出してしまう。「いゃ~だめょ~恥ずかしいわょ~」と
母が言う。しかし、その声は先程までと違って艶めかしい。医者の手が母の下
腹を撫でると、母は湿った吐息を漏らした。「だめょ~堪忍して~」と母は医
者に哀願した。そして母は、私の視線から逃れるように身を捩った。
母が私に背を向けると、医者は母の横に座って、再び母を触り始めた。私の目
の前には、圧倒的なボリュームで母の尻が見えていた。寝ている私の位置から
は、母の背中と尻の一部が見えていた。黒いショーツの腰ゴムが、脇腹の柔肉
に少し食い込んでいる。医師は、右手で母の脇腹から下腹辺りを弄っていた。
男の手が母の股間に伸びた時、母は「うっ・・」と短い声を漏らした。