俺が暮らして居る所はマジに[ど]が付くほど田舎である。
町と呼ばれる(コンビニすらない)所から自転車で更に三十分はかかる。
そんな田舎にも宅配便は来るし、たまには営業らしき人間もやって来る。
秋の稲刈りも終わり、田んぼのあちこちで籾殻を燃やす煙りが上がる頃に、午前中で補習授業が終わり家に向かった。
山あいの田んぼや畑は段々に成って居て、俺は汗をかきながら、ダラダラとした坂道を自転車で漕ぎ上がる。
何気に段々になった田んぼの上の方に一台のバイクが停めて有るのが目に入る。
「あそこって俺の所の田んぼだよな!」
でも田んぼには人影も見えない、普段なら奇妙にも思わず家に帰る所なんだけど、その時は何を思ったのか、道に自転車を止め軽自動車がやっと通れるくらいの農道を上がってみる。
バイクが一台と、お袋の自転車が畦の脇に倒れて居る。
「何で誰も居ないんだろう!」
思いながら辺りを見回してみる、その日は珍しく農作業をしてる人達は誰も居なかった。「でも、お袋は何処だ!」
何度も辺りを見回す。俺の所の田んぼの上には、もう山しか無く俺は農道から山道に足を踏み入れてみた。
直ぐに微かに人声が聴こえる、その声は何時も聴いてるお袋の声だった、会話の声では無く何かを拒むような声に初めて聴く、喘ぐような掠れた声。
木の陰に隠れるように声の方向を捜す、枯れ枝を踏まないように声の方向に向かってみる。
山道から少し入った窪みに、お袋はいた。
良くは見えないがお袋は何かに跨がるような格好で身体を揺らしている時折、お袋の声に混じり男の声も洩れて来る。
お袋の身体が大きく上下に揺れたかと思うと、後は小刻みに激しく揺れ、お袋は髪を振り乱し喘ぐ様子。
お袋の短い呻き声と同時に窪みの中に倒れ込み、俺の視界からお袋の姿が消える。
かわりに茂みの間からお袋の真っ白な尻が見え隠れする。
俺は静かに、その場を離れ一目散に家に帰った、それから一時間ちょっと過ぎた頃に、お袋も家に帰って来た。何事も無かったかのようなお袋、その日から数え切れない程、お袋の姿を思いだしオナニーに耽った。