先週、兄貴のところに初めての男の子が生まれた。
それまでは、1歳3歳7歳8歳10歳とみんな女の子。
取り分けおめでたい話なんだが、一緒に暮らしている親父はそんなに楽しくなさそうだ。
兄貴が結婚したときから長男の家には男の子を生んで欲しいと何度も何度も言われていた。
「またまた女の子か。」と言われ、義姉は肩身の狭い思い。
兄貴はそんな親父に何も言えなかった。
女の子5人産んだところで経済的にもこれ以上は、と打ち止めを決めたようだが、親父はそれを許さなかった。
あの日から義姉は子供たちを寝かせると親父の部屋へ通うようになった。
いつか兄貴が義姉に「俺もう我慢できないよ。」と言うと、「辛抱して、我慢できないときは手と口で処理してあげるから。風俗にだって行ってもいいのよ。お義父さんには援助してもらっているんだから。」
と言っていたのを聞いたことがある。
義姉が親父の部屋に通って半年、6人目の子供を妊娠した。
兄貴はやっと義姉と同じ布団で眠れる反面複雑な気持ちだった。
それからはもう親父の部屋に行く必要もないのに、兄貴が出張でいない夜、義姉はよく親父の部屋に行っていた。
そして先週、義姉は6人目にして初めての男の子を産んだ。
親父は「でかしたぞ、でかしたぞ。」と大喜び。兄貴は黙って下を向いていた。
俺は「とりあえず、長男の嫁の役目を果たしてね。おめでとう。」と義姉を労った。