先週の日曜、婦人会の役員をしている母が、青年団の奴らと一緒に大賑わい
の公園で花見してた。
二時頃、バイクで公園へ行った僕は、少し離れた所で母達を時々見ながら桜
の木の下で、久しぶりにバイクを磨いていた。母は婦人会の中では際立って
若々しく、綺麗で目だっていた。
暫くして「うおぉ~」と言う歓声と拍手が沸いたので見ると、昔この辺りで
は超ワルで大男の団長が、少し酔った母を抱きかかえ駐車場の方へ歩いて行
く所だった。皆の方を振り返った団長は、くしゃくしゃの満面笑顔だった。
青年団の奴らは、「ヤッタ~、牡馬団長!」「酔って中出しするな!」等
口々に叫び、口笛を鳴らしていた。
僕は、猛然とダッシュして行く車を呆然と見ていた。
夜、7時頃、母は「遅くなってゴメン」と買い物袋を提げて帰ってきた。
僕が、団長の車で出て行った事を言うと、母は一瞬、言葉が詰まった後、
「そうよ、酔い覚ましに車で風切って走ってもらっっていたの」と答えた。
それ以上、追求できなかったけど、僕の耳には今でも青年団の奴らの声が耳
に残っている。