中学のとき母親のセックスビデオが小さな村で出回りました。当時四十そこそこ
だった母と隣の農家の高校生が溜め池のポンプ小屋でセックスしているテープで、
小屋の窓からズームで盗撮されたものです。ド田舎の農村では娯楽も少なく、そ
んなことでもして楽しむしか能の無いオヤジ連中が多いのです。
親しくしていた友人からテープを見せられたときはすでに手遅れで、テープの
撮影日付から1年も立っていました。たぶんテープのことを知らなかったのは、
うちと隣の家族だけだったかもしれません。
村の婦人部長や小・中とPTAの役員をつとめ、村の中では美人で才女と言われ
ていた母でしたから、村中の噂のタネになったに違いありません。たまに酔った
勢いで変な電話が掛かってくるし、二度、三度とテープの続編がリリースされて
学校で冷やかされるしで惨々な日々でした。
あるとき、とうとう堪らなくなってテープのことを母に匂わせたことがあります。
そしたら母は「まさか」と言ったきり見る見る顔が蒼ざめ、何日も部屋に篭りっき
りになったほどです。
ただ幸いなことに、当時は父親が肝臓の病気で入退院を繰り返していたため、父親
の耳に入ることはなかったようです。
その後、私は地元の高校には進まず都市部の高校に進学して家を離れたのですが、
噂によると隣の息子と母の関係はその後何年も続いたようです。