僕の家は一階の一部で小さな機械加工工場を営んでおり、父と若いY君が作
業し、母が経理と補助作業をしています。
母は近所で「掃き溜めに鶴」と言われる容貌をしています。
春先、元々体の弱かった父が入院し、会社がヤバクなりましたが、Y君と母
が夜遅くまで頑張って何とか回っています。
ある日の夜、病院から帰ってきた母が、父は血液の病気で「社会復帰は無
理」と医者から言われたと、泣き出したので僕とY君で慰めました。
その夜は、寝付かれず、母の落ち込み事も気になり、一階の両親の部屋の近
くまで行くと、まだ母が泣いている声が聞こえたので、部屋をノックしよう
とした時、「おおーっ」と男の太い雄叫びが聞こえました。
僕は一瞬凍り付き、聞き耳を立てると母の泣き声はさっきのシクシクした声
では無く、絞りだす様な喘ぎ声でした。僕は工場へつながる扉口にY君の靴
がまだ有るのを確認し二階の自室へ戻りました。
結局、朝まで続いた初めて聞く生Hの声で、一睡も出来ませんでした。
翌朝、母はさすがに僕の顔をマトモニ見れず、俯いて食事を出しました。
学校から帰ると、いつも通り母とY君は作業をいていましたが、夜10時前、
いつもなら「お疲れ~」と言って帰るY君が、手持ち無沙汰に工場内で座っ
ており、母もうつむいてじっと食卓の椅子に座っていました。
嫌な雰囲気を察して僕が二階に上がると、10分もしない内に下から母たちの
物凄い生声が聞こえてきた。結局2時間生声は途切れる事無く続き、12時頃、
Y君は帰って行った。近所の目を気にして母が返したのだと思う。
あの日から今日まで、若いY君は、一日も欠かさず母を抱いて帰っている。
Y君は今の家に欠かせない人だし、母にとっても欠かせない『男』です。
父の顔がマトモニ見れなく、辛いです。