うちの父さんはとってもステキな人です。自分の親をこんなふうに言うのも
変ですが、娘の私は誰がなんと言おうと大好きです。ハンサムではありませ
んが背が高く、何を着ても似合うカッコいい父さんです。父さんと散歩や
二人で外出する時は、私は自慢げに腕を組んだりして歩きます。
もちろん、私の机の上には、そんな父さんとツーショットで撮った写真が
写真立てに入れて飾ってあります。
そんな父さんに昨年の暮のクリスマスに、セーターをプレゼントしました。
それはよく似合い、父さんもとても喜んでくれました。
数日たったある晩のこと、二階から降り居間に入ろうとすると、変な声が
します。ソッと覗くと両親がエッチしていました。ビックリして戻ろうと
しましたが、初めて見るその光景に引かれ、目を見開きソッと覗きました。
母さんはコタツの上にウッ伏し下半身むき出しです。父さんも下半身だけ
裸で、母さんの白くて大きいそのお尻に腰をあてがって静かに前後していま
す。それは、まるで盛りの付いたワンちゃんの交尾とおんなじです。
よく見ると、ナント父さんは私がプレゼントしたあのセーターを着たまま
エッチしてるではありませんか!。
エッチするのは知っています。でも、それを見た瞬間、父さんがとても不潔
に思え腹立たしく部屋に戻りました。そして机の上にある写真立ての、父さ
んと二人で撮った写真を取り出し、こなごなに裂きケースもろともくクズカ
ゴに捨てました。それからは、私は父さんとは口もききませんでした。
年末のことです。大雪が降り、母さんが外で雪にすべって転げ、大怪我を
しました。病院の診察は、腰椎圧迫骨折と両腕の捻挫で通院加療だが、暫く
絶対安静とのことでした。さんざんなお正月でした。
お正月休みも今日までという日、私がスーパーで買い物をして帰ると父さん
が腕まくりをして、お湯の入った大きいボールを持ち、母さんの部屋に向い
ます。キッと母さんの体を拭いてあげるのでしょう。
「だいちょうぶかな?」と、ソッと父さんの後をつけ覗いて見ました。
父さんは熱いタオルで一生懸命、母さんの体を拭いています。
やがて父さんは熱いお湯で洗ったタオルを固くしぼり、母さんのお股を拭き
ました。「あなた、すみません」。母さんの目からは涙が流れています。
「泣くやつがあるか。こんなのスグなおる。なんも心配するな」
やさしい父さんの言葉、見ると父さんは私のプレゼントしたセーターを着て
いました。私は胸が熱くなり自分の部屋に駆け上がりました。
そして自分の心の狭さを恥じ入りました。
ふと見ると、机の上に捨てたはずの写真入れがあります。中には同じ写真が
入れ替えてありました。父さんは何も言いません。
思わずそれを手に取り窓を見ました。外は泣くようなミゾレが音もなく降っ
ていました。
その晩、珍しく父さんが夕食を作ると言います。母さんのエプロンを腰に
巻き、作ってくれたのは味噌ラーメンでした。それがとてもオイシイのです
。母さんのとは比べ物になりません。
「どうだ、オイシイか?」と覗き込む様に父さんが言います。
「プロみたい!」「そんじゃ、熱いうちに母さんにもっててあげな」
私は嬉しくなり器によそい、急いで母さんの部屋に向いながら心で叫びまし
た。 やっぱり お父さんステキッ!!