父は大手会社の課長だった。剣道五段で凛としてまっすぐな姿勢をしている
父は、中学生の僕には侍のように思え、憧れだった。そんな父を支える母も
古風と言うか、忠実に父に仕え、他人の悪口など一切しない、いわゆる良妻
賢母とでも言うか、一昔まえなら割烹着に白足袋の似合うような母だった。
それは、母が努めてそうしていたのか、父がそうさせていたのか、子供だっ
た僕には分からない。そんな父も僕が中3の時、病で急に他界した。
僕は両親が望んでいた県立高校に進んだが、それまでの貯えも底を着いたら
しく、生活は途端に苦しくなった。僕は父に憧れ、剣道部に入ったが、遠征
試合とか、授業料の他にお金が掛かり、母に部活をやめると言った。
母は「父さんのように」と反対し、母が働くからと部活の継続を強く勧め
た。そして母は近くのホームセンターの掃除のパートに勤めはじめた。母は
初めて、世間の厳しい荒波に飛び込んだのだ。僕は何故か、その母の働く姿
が見たくなかった。男女同権、どんな職業にも女性が進出する時代、と分か
っていても、僕の頭にある母は、昔の清楚な母が、ホームセンターのトイレ
を掃除している姿は、いかに生活の上とはいえ、見るのが忍びなかった。
母がそこに働き出して、半年ほど経った頃、僕は母のチョッとした異変に気
づいた。それは会社の同僚の歓迎会とか、送別会などと言って、帰りが遅く
なった日のことである。母が帰宅すると、その瞬間から何かいい香りがする
。今まで我が家では経験のない、如何にも女の匂いというか、艶めかしい
香りが母の体からする。朝の出掛けにはそれはない。少しは化粧する様にな
ったがそれも控えめだ。でも、そんな時は、勤める女のたしなみ(化粧)か
ぐらいに思っていた。そんな事が何回かあって・・・・。
ある日のこと、今夜は何とかで飲み会だから遅くなると言って出た晩、飲め
ない母がタクシーで帰って来た。かなり酔っているらしく、玄関に入ると、
戸も閉めず上がり板に座り込んだ。僕は舌打ちしながら母を抱え、寝室に運
んだ。母の体からは、遅くなった時の何時もの香りがプ~ンとした。服を脱
がせる事も出来ずそのままベットに寝かせた。スカートをめくり上げ無ざま
に寝ている母を見て、父が見たらと思うと情けなくなった。
戸締りをしようと玄関に戻ったら、母が忘れたハンドバックがあった。タク
シーに払ったのか、バックの口から財布がのぞいていた。それを収めようと
中を見ると、なんと未使用のコンドームが数個あった。僕は驚いて更に見た
。すると香水のミニボトルが出てきた。鼻を近づけると母のあの匂いだ。
バックを母の寝ている部屋に届けに行き、あらためて寝ている母の体を嗅い
で見た。首筋ではない。胸を嗅いだ。胸でもない。はて、どっからこの香り
が?と、お腹からスカートのめくれ上がったパンティの上に鼻が来た時だっ
た。その香りは白いレースの縁取りの、紫色の艶めかしく盛り上がっている
パンティだった。始めて見る母の股間に僕の胸ははち切れそうだ。なをも僕
はソーッと
その股間に鼻を近づけた。あの何とも言われぬ香水の香りは、盛り上がった
股間に食い込んだパンティの割れ目からだった。その香りと紫色のなまめか
しい大人の下着、思いのほか盛り上がっているおマンコ!
僕は思わず母であることを忘れ、その割れ目を指でなぞってしまった!。
すると母は「ウ~ン」とうなり、寝返りを打ちながら「店長、もうダメ・」
と呟いたのだ。母は浮気していたのだ。いや、夫がないから浮気とは言うま
い。しかし、勤務先の店長が相手とは!。母は店長とやる時だけ、おマンコ
に香水を振り掛けていたのだ。僕は我に帰り、部屋に戻った。
次の日僕は、母の働いているホームセンターに行き、店長なるものをじかに
見た。なかなかの男前だ。センターの外に出たら、サボってタバコを吸って
るオバさんがいた。いろいろそのオバさんに聞いてみた。
センターで働く女はバツイチなど未亡人が多いとのこと。ここの店長は独身
(バツイチ)のうえ、自分の顔にものを言わせ、次々と店員をオモチャに
しているロクデナシとさんざん悪口を聞かされた。
家に帰って考えた。あんなスバラシイ母をあんなワルのエジキにされて堪る
か、と。なんとか母をあの男から引き離さなくては。いろいろ考え、一計を
思いついた。そして、ある日、それを実行した!。
その日、母は「今晩、皆で早めの忘年会だから、帰り遅くなるよ」と言って
出かけた。そんな時はいつも帰りは十一時頃だ。計画どうりになるか、夜が
楽しみだった。
その晩、なんと九時前に帰って来た。母の顔は青ざめて、気分が悪いとすぐ
寝てしまった。効果抜群だ!.自分の地位を利用して、弱い立場の母に、よく
もセクハラしてくれたな!父に代わってカタキをとったぞ!。
実は、学校の化学の時間、実験室でコッソリ薬品棚から、少々のアンモニア
をスポイトで失敬してきて、母のバックにある香水のミニボトルに注入して
置いたのだ。母はことに当たり、何時ものように香水なるものを、パンティ
にふりかけ、彼を待ったのだろう。そしてエロ店長は母の股間に食らいつ
き、そのアンモニアのむせるような強烈な匂いにブッ飛んだことだろう。あ
の気取った顔の鼻のひん曲がったバカヅラを想像しただけでも愉快だ。
年あけて、そこを母は首になった。今に思うと、僕のため生活のため、母は
体をはって働いていたと思うと、なんか母も気の毒に思える。
懸命に生きようとしている貧しき者には、セクハラも必要悪なのかと少々
後悔している・・・。