私の両親はいつも口げんかをしています。よく、あんなに始終けんかしてい
て、離婚しないのが不思議なくらいです。父さんが一言いえば、三言・四言
と母さんに言いかえされます。母さんの反論はとても父さんのかなう相手で
はありません。そんな時、父さんはいつも「このバカモノ!」と、言って逃
げます。私が、物心付いた時から、口論の末、口ではかなわない母さんに、
「このバカモノ!」と言って終わる夫婦喧嘩を耳にタコが出来るほど、聞い
て育ちました。この間の朝も、ズボンのアイロンの掛け方が悪いと言う父さ
んに、母さんは、その三倍か四倍の言葉で、それはまるで機関銃の様に
反論します。父さんは何時もの様に「このバカモノ!」と言い捨てて、会社
に出勤して行きました。
そんな日のある晩、忘れ物を取りに居間に向かいました。居間の中から、何
時もの両親の口喧嘩が聞こえます。また喧嘩かと聞いていると、なんか父さ
んがエッチデオを見ていての口論のようです。私は急に入りずらくなり、
廊下でたたずんでいました。
「そんなもの、いつまで見てるのよ!させ子に見つかったらドウするの!」
「ウルセーな」
「人(他人)のやるの、いくら見たってショーないでしょう、バカみたい」
「いいだろう。何処でもこんなもの、見てるんだから。これ、上司のkさん
が貸してくれたんだ。一応みた感想も言わんとならんし」
「そんなの、ひとの食事するのをバカヅラ下げて見てるんもんよ!」
「なんだ・ソレ。お前なんか、作りもしない料理の番組をいつも見てるじゃ
ないか。おんなじだ!」「そんなの見るもんじゃなくて、やるもんでしょ!
。あなたの健康の*#”&*$#ッ!!」と、母さんの猛反撃が始まりまし
た。ソロソロ父さんの「このバカモノ」が出る頃です。そして出ました!。
「うるせー!このバケモノ!!!」。ん?バケモノ??。
父さんは激怒のあまり、言い間違えたようです。喧嘩は治まるどからか、い
っそうヒドくなりました。私はあきれて部屋に戻りました。