僕が親のセックスをはじめて見たのは5歳の時だった。
そのころ夜は、母と同じ布団に寝ていて、その隣に父が寝ていた。
その夜、なにか声がするのと、部屋がぎしぎしときしんでいるので
目が覚めた。怖くて、いつも隣で僕を抱いて寝ている母に抱きつこうと
したら、そこに母がいない。よく見ると、隣の父の布団の上で、父と
母が動いている。二人とも全裸であった。
母が仰向けになり、その上に父が馬乗りになって、どしんどしんと
腰を打ち付けていた。
そのたびに、母の豊満な乳房は前後にゆさゆさと揺れていた。
母は、苦しそうな顔をしてハアハアとはげしくあえいでいた。
父も真っ赤な顔をして汗みずくになって、力一杯、腰を母の腰に打ち
つけている。母が父に折檻されているのだと思った。
優しい母が、父にいじめられている。かわいそうだ。どうしよう。
迷いながら見ていた。父の動きがひときわ激しく強くなり、母が、とうとう
悲鳴を上げた。もう、このままにしていたら、母が殺される。と思った僕は
立ち上がった。正義の味方月光マンだ。
そのまま突進して、父に体当たりした。父はあっと声を上げて隣に仰向けに倒れ込んだ。そのとたん、父のあそこから、びゅ、びゅっと白い液体が
吹き出して飛び散った。びっくりした。
母は、僕をしっかり抱き寄せて自分の寝床に戻った。僕は父に怒られる
と覚悟して、ふるえながら母の胸にしがみついていた。
でも、父は何も言わず、何かごそごそしていたが、やがて静かになった。
僕もいつの間にか眠ってしまった。
翌朝も、父からも母からも何も言われなかった。
あれが夫婦の営みだったということを知ったのは、数年後のことだった。